「ONとOFF」2 恩と感じない人のOFF

「恩返し」は、受けた恩(恩義・温情)をありがたく感じて、お礼をすることをいいます。お礼といってもピンからキリまであって、恩を受けても「当たり前のことだ」くらいにしか感じなくて、お礼の言葉を伝えた、周囲の人に世話になったということを話しただけで終わる人もいます。

金銭が発生するのが当たり前のこと、労力に対する謝礼として当然の金額を支払うべきことであっても、「ありがとうね」という軽い言葉で済まそうという人もいます。そのようなことの当事者になったことがあります。

当事者といっても、「ありがとうね」と言った方ではなくて、言われた側としてですが、実際には、お礼の言葉も労いの言葉もなくて、「あなたも大変だったかもしれないが、私だった大変だった」という意味不明な言葉で終わってしまいました。

前回(「ONとOFF」1)は、ONをOFFで返す人に対して、こちらもOFFで返すのではなく、あえてONで返すというスイッチの切り替えについて書きました。

これはOFFをしてきた人に気づかせることであり、気づいたらONに切り返す(恩を返す)ことが期待できる人であった場合の話です。

正しい評価ができない人には、OFFに対してONで返しても、あまり意味がないことにもなります。恩があった、恩と考えることもできると判断することができる人であればの話であって、恩義を受けたことがわかっていない、当たり前のことをされただけと思っている人には、相手が別のタイミングでONをしてきたときに、こちらはOFFで返すことにしています。

そのことに疑問などを感じる人であればよいのですが、自分のONに対してOFFで返してきたことに腹を立ててくる人もいました。これは、よく言われる「足を踏んだ人には踏まれた人の痛みはわからない」という状態です。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕