これって聞き間違い? 5「条件付きの許可だった」

あとになって前言を翻す(ひるがえす)人は、これまで何人も見てきました。業界によっては翻すのは当たり前という雰囲気もあって、それを信じて行動や決断をしたほうが悪いと言われるようなこともあります。

コロナ禍の影響で、どんな判断をしても「コロナのせい」と言えば済まされることもあって、その被害を受けた人は数多くいます。それに比べたら、私が聞き間違いかと思って、二度見ならぬ“二度聞き”をした経験も大したことはないのかもしれません。

二度聞きした言葉は、今回のタイトルの「条件付きの許可だった」で、私が代表を務めるNPO法人(特定非営利活動法人)の活動を継続してよいということであったので、東京での仕事を他に方々に渡して、岡山に移住しました。

ところが、移住してから急にNPO法人の仕事をしてもらっては困る、続けるなら委託している仕事を見直さなければいけないと言われました。その理由として言われたのが「条件付きの許可だった」という言葉です。

移住前には条件について何も言われていなくて、業務委託のための移住を打診してきた人は、当時は当NPO法人の理事でした。

条件など付けられていなかった、NPO法人の仕事が岡山での委託事業に役立つと言っていたではないか、と指摘しても、「条件付きの許可だった」を繰り返すだけでした。

そのときに決意したことがあります。それは条件付きなどと言って前言を翻すような人と付き合わない、ということではなくて、翻されるようなことがあっても動じないで済むように準備をしてから取り組もうということでした。

他人の考えや行動を変えさせることはできないことで、急に前言を翻すのには理由や原因があって、その人にとっては、それが最も大事だということもあるのですから。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕