なぜオリンピックのスポンサー枠は多いのか

東京2020のオリンピックに参加する選手はキャンセルやボイコットなどがなければ1万5000人ほどと予定されています。選手以外の関係者(監督、コーチ、各国の役員、各スポーツの役員など)は、以前は選手の数よりも多いと批判を浴びて減っているものの1万人ほどになると予測されています。運営には審判や係員も必要で、このほかに報道枠は3万人、スポンサー枠などは4万5000人と発表されていました。
スポンサーはIOC(国際オリンピック委員会)と契約したワールドワイドオリンピックパートナーの14社と、JOC(日本オリンピック委員会)大会組織委員会と契約したゴールドパートナー15社、オフィシャルパートナー32社、オフィシャルサポーター18社です。スポンサー枠というのは大会に訪れて、各競技を観戦する人たちのことで、チケットを購入した人たちが観戦できない無観客開催が濃厚であるにも関わらず、スポンサー枠の人たちだけは関係者とともに観戦できるというのが理解されれば、もともとの予想どおりの人数になるのですが、これは蓋を開けてみなければわからないというところです。
なぜスポンサー枠が多いのかというと、スポンサー企業の社員の派遣や企業と付き合いがある先の招待が多いからで、広告代理店が動いてパートナー契約をした場合には特典としてチケットを複数枚つける、それも人気競技のチケットをつけるというのは儀式のようなものです。支払う金額が多くなると、どうしても入国させたい、入場させたい人数が増えてしまいます。ワールドワイドオリンピックパートナーは4年契約で1年間に100億円以上なので、それなりの見返りは求めてきます。ちなみにゴールドパートナーは4年間で150億円と言われています。
IOC役員の枠というのもあって、中でも広告代理店のように動いてスポンサーを決めてきた役員には20%のバック(との噂)があり、さらにチケットもつけるということで、役員が関わっての入国も増えてしまいます。これまでの常識が、コロナ禍では通用しなくなるので、何人がスポンサー枠を使うのか、それともスポンサー枠が意味をなさない結果(中止など)になるのかは、まだ想像がつかないところです。