なぜコエンザイムQ10の吸収率は低いのか

コエンザイムQ10の吸収率については前に紹介しました。一般に吸収率というと半分くらいは吸収されるイメージがあるかもしれませんが、ミネラルではカルシウムは30%、鉄は20%といわれています。コエンザイムQ10は脂溶性の性質があるために、なんと吸収率は1%となっています。それも食事をした後の、胃の中に脂肪がある適した状態でも、その吸収率であって、空腹時に摂ったら0%、つまり素通りということで、まったく吸収されません。
なぜ1%という低い吸収率なのかというと、もともと体内で合成される成分だからです。コエンザイムQ10は体内で合成され、20歳代をピークに減少し続けています。体内で合成されるので、吸収率が高くなる必要はなかったわけです。しかし、医薬品の成分としては吸収されやすくなっています。現在はサプリメントして使うことができますが、医薬品と同じ成分を用いているので、吸収率は高くなっています。つまり、食品では非常に低い吸収率であっても、サプリメントとしては高い吸収率となっているものもあります。
コエンザイムQ10というと還元型のコエンザイムQ10が有名です。コエンザイムQ10は体内では還元型となっています。だから、還元型コエンザイムQ10を摂るのがよいと考えられています。還元と酸化は相互的な関係で、酸素のマイナス電子が欠けるのが酸化、マイナス電子が補われるのが還元です。食品に含まれているコエンザイムQ10は酸化型ですが、酸化型は肝臓で還元型に変換されてから有効性を発揮するので、その分だけ効果が低下すると説明されています。だから、還元型コエンザイムQ10を摂るのがよいと言われています。
しかし、酸化型コエンザイムQ10はマイナス電子を補うビタミンCがあると体内で還元型コエンザイムQ10になります。なにも還元型コエンザイムQ10を摂る必要はなくて、この事実から酸化型コエンザイムQ10とビタミンCを一緒に摂ればよいということがわかります。
コエンザイムQ10については、このサイトの「サプリメント事典」を参照してください。