サプリメント相互作用1 習慣からの行動変容

生活習慣は健康の維持・増進の重要な要素です。正しい食生活や生活行動を継続させることが体調を整え、生活習慣病を避けるための基本となることに異議を唱えることはありません。

しかし、それは現状が保たれていることが前提であって、加齢による体調変化、疾病による医薬品の使用という段階になったときには、これまでと同じ生活を繰り返すと、同じ結果が得られるというわけにはいかなくなります。

健康のためにサプリメントや健康食品、ハーブなどを使っている人は数多くいます。それが習慣となって、健康を感じられている人に対して、急にやめるように指示されることは、単に摂取するものを禁じられた以上の、これまでの生活や自己認識を否定されたように感じる人も少なくありません。

身体の状態に合っているから使っているサプリメントなどが、身体機能の低下で禁止されることがあるのは、一つには分解・排泄機能が低下することから体内や血液中の多くなり、それが健康を害することになるからです。

健康の維持に必要となるカルシウム、マグネシウム、カリウムなどは、分解・排泄機能が低下すると高カルシウム血症、高マグネシウム血症、高カリウム血症といった状態を引き起こします。それぞれの状態と原因となる疾患、ミネラルの過剰摂取につながるサプリメントなどについては徐々に説明していくことにします。

これまで強力な味方だと思っていたのに、急に裏切って襲いかかってくるようなものとも言えます。関ヶ原の戦いで西軍から東軍に寝返った小早川秀秋のように感じるかもしれません。

疾病の場合には、その原因となった生活習慣を改めて、新たな生活習慣を取り入れることは行動変容と呼ばれます。これまでの習慣を変えることは思ったよりも難しく、簡単にできるから習慣化してきたことを手放すのは辛いことにもなります。

サプリメントは口に入れるだけの簡単な健康習慣の代表格ですが、これが禁止されるのは、サプリメントと医薬品には相互作用があるからです。健康に役立つサプリメントの成分と医薬品が組み合わされることによって、健康被害が起こることが数多くの研究で明らかにされています。医薬品を変えるのは難しいことから、これとバッティングするサプリメントなどが禁じられるのです。

サプリメントが危険だと決して言っているわけではなくて、使い方を誤ると健康被害につながるということを示しているだけです。その理由やメカニズムを知って、的確に使用してほしいということを願って、相互作用の情報を伝えようとしているのです。
〔サプリメントデザイン推進機構 小林正人〕