サプリ概論69 免疫に作用する素材3

免疫強化作用のある素材のうち、今回はコエンザイムQ10、高麗人参、タベブイア・アベラネダエ、田七人参を紹介します。
コエンザイムQ10はエネルギーを生産するために欠かせない脂溶性のビタミン様物質で、細胞にエネルギーを供給するのを助ける補酵素です。細胞内でエネルギーを発生させる小器官のミトコンドリアで、生命のエネルギーであるATP(アデノシン三リン酸)を合成する酵素の作用を助けます。この作り出されたエネルギーが細胞を働かせていますが、免疫細胞の機能を高める作用が認められています。
高麗人参は中国東北部から朝鮮半島に自生するウコギ科の多年草の根を乾燥させた生薬です。朝鮮人参、紅参などとも呼ばれます。有効成分のサポニンには免疫作用があり、高麗人参に特有のサポニンであるジンセノサイドには鎮静作用と興奮作用の両方の作用があり、心身症、不定愁訴への抵抗力を高める作用が認められています。このほかにインスリンの働きを高めるアデノシンやピログルタミン酸、血管を弛緩させるAFGなどの物質、さらにビタミンやミネラルも含まれており、血糖値改善、血圧降下、自律神経の調整などの作用があります。
タベブイア・アベラネダエはアマゾン原産のノウゼンカズラ科の樹木の内部樹皮で、タヒボ、イペ、パウダルコとも呼ばれます。免疫細胞のマクロファージを活性化させ、免疫を高め、がんの新生血管形成を阻害する働きがあります。特有成分のナイト・フラン・ディオン(NFD)には正常細胞のがん化抑制、がん細胞の増殖抑制の作用のほか、血糖値の上昇抑制、特有成分のパウロニンによる抗炎症・抗酸化作用も認められています。
田七人参は中国南西部原産のウコギ科の多年草で、コブのある丸い根が生薬に用いられます。田三七、三七人参とも呼ばれています。免疫向上作用の他に、中国では血流促進作用と止血作用がある生薬として使われ、肝機能向上の漢方薬の主成分となっています。ジンセノサイドなどのサポニン、特有のデンシチンや田七ケトンには、血管を弛緩させ、血流促進、血圧降下、肝機能向上、止血などの作用があります。中国では有効成分の含有量によって13等級に分類され、1~3等級は医薬品、4~6等級は漢方薬、7~9等級は健康食品、それ以下は食品として使われています。