セミナー中のスマホの情報検索はプラスなのか

セミナーや講習を受けているときに、疑問が湧いてきたら、これを解決するために講習テキストや専門書を引くということがされていました。それは当たり前の行為で、講師に迷惑をかけることはありませんでした。以前のセミナー会場では、用語がわからない、意味することがわからないということがあったら、それをメモして、あとで質問をしたり、自分で調べたりということが一般には行われていました。だから、セミナーや講習後の質問時間は重要なもので、時間制限、質問者限定を行わないと、いつ終了するのかわからないということさえありました。
ノートパソコンで外でも通信ができるようになると、セミナー中にパソコンで検索する人が出てきました。まだ少数であったときには講師としても気にならない程度のことでしたが、パソコン通信が普及してきて、会場のあちこちでカタカタとキーボート操作の音がしたり、あるキーワードを発したときにカタカタが一斉に聞こえたりすると気になることもあり、それ以上に聴講者がわからない、もしくは疑問に思ったキーワードがわかるので、すぐに用語説明をするということがされていました。
時が進んで、スマホで誰もが簡単に検索ができるようになると、会場の様相はガラッと変わりました。手元の操作なので、よほど講師から全員が見渡せる会場でない限りは、いつでも検索が可能です。気になるキーワードが知りたくて操作しているのか、メールやLINEをしているのか、あまりに講習内容がつまらないからと娯楽のページを見ているのか判別がつかなくなりました。
以前のセミナーでは「電源を切ってください」というインフォメーションがありましたが、どんな緊急事態の知らせがあるのかわからないので「マナーモードにしてください」に変わりました。検索が簡単にできる時代には、どれだけ集中して聴講しているのかがわからなくなってしまいますが、気になることを、その場で解決するための検索をしている間に、講習内容が進んで、全体が理解できなくなることも起こります。
そうならないように、今では超アナログなやり方とされる、パワーポイントを使わない、講習内容を記載したプリントを配布するという方法を取るようにしています。そのまま読むようなことをしたら、それこそ後で読めばよいからと講師の話を聞かなくなるので、わざと余計な話を入れて、とりあえず話に集中しないといけないような工夫はしています。