ポストコロナ「天才は忘れた頃にやってくる」2

発達障害の子どもは、自閉症スペクトラム障害、注意欠陥・多動性障害、学習障害に大きく分けられます。このうち学習の習得に困難さを抱えているのは学習障害だけと思われがちですが、自閉症スペクトラム障害は閉じこもりがちな性質で周囲とのコミュニケーションが苦手なことが学習の機会を低下させることになり、注意欠陥・多動性障害は集中しにくいことから、やはり学ぶことに困難さが起こっています。
発達障害児は、すべての子どもの10%ほどですが、このうち学習障害は半分ほどとなっています。ところが、知能に問題がない子どもでも学習に困難さがあるのは10%ほどいます。自閉症スペクトラム障害と注意欠陥・多動性障害でも学習の障害が起こっているということであり、発達障害でなくても学習に困難さを抱えている子どもが多くいるということです。
教室の集団教育では学習障害とレッテルを貼られるような子どもたちであっても、学び方を変えると天才的な才能を発揮することがあります。教師の指示に従わない、授業を妨害するようなことをして“天災”扱いされることさえある“天才”が能力を発揮するためには学べる条件を整えてあげる必要があります。
コロナ禍は子どもたちに学習環境を変え、学習の成果にも大きな影響を与えましたが、中でも発達障害がある子どもたちは大きな悪影響を与えられてしまいました。その悪影響から解放させるように支援しないと、「天才は忘れた頃にやってくる」と期待を寄せても、それが出せないまま終わってしまうことにもなりかねません。
学習障害があっても、自閉症スペクトラム障害や注意欠陥・多動性障害でも適材適所で、IT業界では、発達障害の特性を活かした仕事を作り出し、その環境を与えることによって、天才を天才として活躍させることができます。技術者の半分ほどが発達障害者というIT企業もあります。その重要な人材についての話は次回に続きます。