ポストコロナ「沈黙は損なり」3

コロナ禍は経済的に大きな打撃があり、健康のほうが経済よりも優先だというような緊急事態宣言、まん延防止等重点措置で感染を防止することに取り組んだにも関わらず、それが国民の健康度を低下させることになってしまいました。外出自粛で歩く機会が減り、歩くことによる健康効果(心肺機能、筋肉、骨、認知機能など)が削られていって、延び続けてきた健康寿命の今後の変化が不安視されています。コロナ禍であっても、平均寿命はまだ延び続けると見られているので、今後は平均寿命と健康寿命の差が開いていくことは容易に想像がつくところです。
健康寿命は日常生活が制限なく自由に活動ができる状態を指していますが、自由に動けなくなった期間が長くなるほど介護期間が長くなり、家族も地域の自治体も負担が大きくなります。今でも平均寿命と健康寿命の差は、男性が約9年、女性が約12年なので、さらに長くなることを考えると、今から対策に取りかからないといけないと真剣に考えています。
その方法にお金と手間がかかり、継続しにくいものであったら、短期的にはよくても長く続けることはできなくなります。コロナ禍で大きく低下した国民の健康度は、1年や2年で取り戻せるものではありません。即座の効果は見えてこないようなことであっても、長く続けることで効果がジワジワと出てきて、着実に健康度を高めることができることとして実践するのはウォーキングです。
ウォーキングといっても、いろいろな歩き方があるものの、ただ歩数を増やせばよい、長く歩けばよいという従来のウォーキングでは健康効果を一気にV字回復させることは不可能です。私たちが進めているのは、健康ウォーキングです。それも英語表記では「Health&Walking」で、健康のための知識を得るための機会と、それを実践するためのウォーキングを示しています。
日本メディカルダイエット支援機構では、運動と食事、運動と休養、食事と休養の組み合わせによるエネルギー代謝の促進をメディカルダイエットとして研究を進めてきました。その効果的な方法をウォーキングを通じて実感してもらい、健康度の回復を始めるために、「沈黙は損なり」との考えで、主張するところは主張する行動を始めました。