学習障害176 食事によって学習時間に交感神経が働く

人間の活動時間は朝に目覚めて家を出てから、家に帰ってくるまでの時間とされています。人間の身体の調整は自律神経が司っていて、昼間の活動時間は交感神経がメインに働き、夕方から朝までは副交感神経がメインに働いています。
食事でいうと朝食と昼食は交感神経、夕食は副交感神経が盛んに働いているときに食べています。消化・吸収・排泄でいうと、交感神経は胃液の分泌を抑え、小腸の吸収を抑え、大腸の蠕動運動を抑えるといった作用があります。これに対して副交感神経は胃液の分泌を増やし、小腸の吸収を高め、大腸の蠕動運動も促進するといった作用があるために、栄養の吸収と排泄をスムーズにさせるにはプラスとなっています。
発達障害の人には、自律神経の調整が乱れていて、起床しても交感神経に切り替わりにくい、夕方以降も副交感神経が働きにくいという例が少なくありません。夕食で食べたものが充分に消化され、吸収もされて、排泄の準備が整えられる夕方から朝までの時間が、副交感神経の働きがよくないために有効に使われないと、栄養が不足して、朝の便通がうまくいかないということにもなります。このような状態では、学習にも影響が出てきます。
起床してすぐの時間は、まだ副交感神経の働きが強くて、交感神経メインに切り替わってはいないのですが、朝食を食べると、これが活動をする時間であるというサインとなって、交感神経に切り替わっていきます。これもあって、朝食を食べることが大切で、朝食を食べて通学したときには交感神経の働きが盛んになっていて、学習にも積極的に取り組むことができるという流れになっています。ところが、排泄がうまくいかないために食欲が湧かずに充分に食べられない、中には朝食を抜いてしまうということもあり、これも学習の時間に交感神経が充分に働かない理由になっています。