ワクチンは昔と今では接種対象が変わったのか

医学・科学の専門家から学んだ中で、これは常識と太鼓判を押されていたことが、まるで違っていると考えなければならないことが突きつけられることがあります。常識と決めるのが怖くなるほど、新たな研究成果が発表されるたびにドキドキして見なければならないことがあります。そのドキドキを平日は毎日のように味わっています。
というのは、私が個人的に2010年の4月から毎週1回発信し続けている「健康情報メール」のリサーチをするために、国の機関や研究機関、大学などの発表資料をチェックし続けているからです。健康情報メールの発信先は研究者や団体役員、そのほか最新情報を知っておいてほしい方々で、毎回30本以上のネタを400人ほどに送っています。これを始めたのは、古い情報を、そのまま使っていると間違いにもなりかねないからです。
今回のテーマはワクチンについてで、日本人が、これほどワクチンについて知ったことは歴史上なかったのではないかというくらいメディアで毎日のように報道されています。そのメディアで知った常識が、これまでも常識だったように感じるかもしれませんが、私がワクチンについて勉強をさせてもらったときには、ワクチンを接種してはいけない人として“基礎疾患がある人”があげられていました。だから、高血圧や糖尿病、脂質異常症などがある人は、「感染症が流行したらワクチンを射ってもらえないので早く治しましょう」と言われたものです。
ところが、その常識は今では逆転して、新型コロナウイルスのワクチンは、高齢者の接種が終了したら、基礎疾患のある人が優先的に接種するということになっています。今回のワクチンは急を要するということで、まだ臨床試験が済んでいない段階で国民的な接種が進められています。臨床試験の途中で結論が出ていないのに、これだけ多くの国民に接種するというのは歴史上、初めての経験です。
まさか、あとになって「接種をしてはいけない人が違っていた」ということにならないことを願っています。だからといって、ワクチン接種にダメ出しをしているわけではなくて、常に違う結果の可能性を考えて、情報収集を重ねていかなければならないと自分自身に注意喚起をしているのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)