人間は水がなければ生きられない

身体にある60〜70%の水分のほとんどは細胞の中にあります。体内の水分の減少は、皮膚の老化などに現れやすくなっていますが、水分の減少が大きく起こっているのは外からは見えない細胞の中です。細胞の中では、さまざまな生化学反応が起こっています。例えば、エネルギー代謝、細胞の再生、免疫機能などがあげられますが、その生化学反応が盛んに行われることが生命の維持の基本となっています。
これらの生化学反応を起こすためには、ビタミン、ミネラル、酵素、酸素、イオンなどが必要となります。これらのものは、すべて水がなければ細胞の中で働くことができません。
細胞に必要な栄養素や酸素は、血液によって運ばれていますが、栄養素も酸素も水に溶けることによって初めて運ばれやすい形になります。また、細胞に取り込まれる場合も、水に溶けている必要があります。というのは、血液によって血管の末端まで運ばれた栄養素は、そこから先の細胞までは水に溶けて、水とともに細胞まで運ばれていくからです。そして、水とともに細胞の中に入っていきます。
細胞の中で化学反応が起こると、必ず老廃物が発生します。この老廃物も水で薄められて細胞の内から外へと出ていきます。そして、水とともに血液中に入って排出されます。細胞の水分が少ないと、老廃物の排出が不十分になり、細胞内に老廃物がたまったままでは細胞の働きは低下していきます。
このほかにも体内の水分は、体温の調整、酸・アルカリの調整、消化・吸収の補助などにも必要です。体内の水分が少なくなり、これらが充分に補われないということは、身体の調整が低下するだけではなく、生命の維持にも関わる重要な問題だったのです。