体質との調和9 β3アドレナリン受容体遺伝子タイプの特徴

日本人は肥満遺伝子がある人の割合が高くて、今は肥満でもなく、太りぎみでもない人であっても肥満遺伝子がないわけではありません。日本人の30%が該当するβ3アドレナリン受容体遺伝子タイプは、一般に“リンゴ型肥満”と呼ばれる腹部から太っていくタイプです。

中性脂肪の分解が進みにくいことに加えて、インスリンの分泌が少なく、血糖値が上昇しやすい特徴があります。ブドウ糖が多く含まれる食品を食べると、ブドウ糖が肝臓で脂肪酸に合成されやすく、中性脂肪に合成されたあとに脂肪細胞の中に内臓脂肪として蓄積されやすくなっています。

1日の基礎代謝量は200kcalほど低くなっていますが、体脂肪の1kgあたりのエネルギー量は約7200kcalなので、食事量と活動量が同じであったとしたら36日で1kgずつ太っていくことになります。現状を維持するとしたら、食事で200kcal(ご飯なら茶碗1杯分)を減らさないといけない計算となります。

ところが、β3アドレナリン受容体遺伝子タイプは、ご飯などの主食が好きで、糖質(ご飯、パン、麺類など)なしでは満足できないところがあり、糖質を摂ると肝臓で脂肪に合成されやすくなっています。

また、糖質が代謝されにくいタイプなので、夜食は脂肪合成を進めて、脂肪細胞の中の中性脂肪を増やすことになります。内臓脂肪は蓄積しやすいものの、低エネルギー量の食事にすることで比較的早く内臓脂肪を減らしていきやすい特徴があります。

血糖値が上昇すると、肝臓でブドウ糖が中性脂肪に合成されやすくなります。そのため、血糖値の急な上昇を抑えるように、糖質がブドウ糖に分解されるのを抑える不溶性食物繊維の多い野菜を多く摂るようにします。また、ブドウ糖が胃から腸に運ばれる時間を遅くする働きがある水溶性食物繊維の多い海藻、きのこを多めに摂るようにすることがすすめられます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕