健康づくりのためのインターバルウォーキング

ウォーキングの健康効果については、これまでの数多くの研究によって明らかにされてきました。その多くは、健康の維持・増進には歩く時間や距離の長さだけではなく、一定の負荷をかけることの効果であり、一般的なウォーキングと中強度の負荷がかかるウォーキングを繰り返すことによって健康寿命の延伸が得られるとの結果です。
中強度の歩行というのは、なんとか会話ができる程度の早歩きのことで、それを1日に20分間行うことで健康度が高まるというのが中之条研究の成果です。これは群馬県中之条町で実施された65歳以上の全住民(約5000人)の歩数と病気予防の関係を調査した研究で、最も好成績であったのは1日に8000歩で、そのうち20分間の早歩きをした人でした。
普通歩行は典型的な有酸素運動であり、速歩は無酸素運動の領域となっています。そのため無酸素運動の歩行は長くは続けられないものの、筋肉に多くの酸素を取り込み、その状態で普通歩行を行うことによって比較的短い時間で効果的に有酸素運動を行うことができます。
有酸素運動と無酸素運動を交互に行う運動としてはマシントレーニングとエアロビクスを短時間ずつ繰り返すサーキットトレーニングが知られており、その脂肪燃焼と心肺機能向上の効果も確かめられています。インターバルウォーキングは、いわば歩くサーキットトレーニングですが、有酸素運動としてのウォーキングの効果を高めるためには無酸素運動としての歩行を実施する必要があります。
早歩きをしたくても年齢を重ねるとできにくくなってきます。そこで歩行速度を無理に高めなくても中強度の歩行と同様にする方法としてあげられているのが、ポールを用いて歩くノルディックウォーキングです。ノルディックウォーキングは同じ速度で歩いても、上半身を使って歩くことで20%ほど多くのエネルギーを消費することができます。1日に20分間の中強度の早歩きの代わりに、20分間のノルディックウォーキングを取り入れることでも、同じような健康効果が得られるということです。