健康ウォーキング3 距離が長いウォーキングが定着した理由

日本におけるウォーキングは、歩け歩け運動がきっかけだとされています。歩け歩け運動は前の東京オリンピックの翌年の1965年に、行政と民間が協力して始めた1日1万歩運動を指しています。同時期に、今の日本ウオーキング協会の前身とされる歩け歩けの会が設立されたこともあって、「ウォーキング=歩け歩け」と考えられるようにもなりました。
目的とすることは、あまり運動習慣がない人に、まずは歩く機会を増やすことによって、国民的な健康度を高めていくことで、それによって生活習慣病(当時は成人病)を増加させないことが大きな目的とされていました。
当時の日本人の1日の歩数は平均して7000歩ほどでしたが、運動の機会の減少と食事量の増加で、摂取エネルギー量が消費エネルギー量を300kcalほど上回っていました。1000歩あたりの消費エネルギー量が100kcalとして、300kcalを消費するために1日に3000歩を増やすことが提案されました。これが1日1万歩の根拠とされています。
日本ウオーキング協会が主管する全国で実施される大きなウオーキング大会は、一時期は年間150回以上も開催され、歩くことに向かない真夏を除くと、2日に1回は開催されていることになっていました。その参加人数は220万人にも達していました。これは延べ人数で、全国のウオーキング大会に参加することを楽しみにしているウォーカーが存在しています。
というのは、日本ウオーキング協会では地球1周分に相当する4万kmを歩いた人を表彰する制度を設けていて、日本ウオーキング協会が主管するウオーキング大会での公式距離がカウントされることから、これを目指してウオーキング大会巡りをしている人も数多くいます。この他に全国のウオーキング大会をセレクトして組み合わせた複数のリーグもあり、これらをクリアすることでの表彰制度もあります。
ウオーキング大会では1日に40km、50kmといった長いコースが設定されていて、これを2日、3日と続けて歩くことができるようになっているのは、長く歩くことで表彰に近づくことができる仕組みになっているからです。
※一般名称はウォーキングですが、日本ウオーキング協会の活動は「ウオーキング」を使っています。