定年退職年齢と平均寿命の関連性

サザエさんの登場人物の年齢設定を見てみると、サザエさん(フグ田サザエ)は24歳、マスオさん(フグ田マスオ)は28歳、波平さん(磯野波平)は54歳、フネさん(磯野フネ)は50歳、カツオ君(磯野カツオ)は11歳、ワカメちゃん(磯野ワカメ)は9歳、タラちゃん(フグ田タラオ)は3歳です。アニメのサザエさんは昭和44年(1969年)に始まり、実際の季節に合わせた内容になっていますが、1年が過ぎると、また元の年齢のまま同じ行事を繰り返すというパラレルワールドになっています。
この中で年齢と外見ということで、よく例に出されるのは波平さんです。54歳で、ないに等しい毛髪というのは、当時は当たり前の姿だったようで、今から52年前の平均寿命は男性が69.18歳、女性が74.67歳でした。年齢設定は新聞連載が始まった昭和21年(1946年)のままなので、昭和22年の平準寿命は男性が50.06歳、女性が53.96歳でした。
なぜ75年前ではなくて、翌年のデータなのかというと、第二次世界大戦が昭和20年に終わり、その後は混乱の最中で調査が行われていなかったからです。一般に言われているのは昭和22年に初めて男性の平均寿命が50歳に到達したのであって、それまでは40歳代であったということです。
平均寿命が50歳にギリギリ届かなかった年代には、54歳という年齢は、あと6年ほどということで、今(令和2年調査)の男性の81.64歳、女性の87.74歳から考えると、波平さんは75歳に相当することになります。当時の定年は、まだ55歳の会社は少なくて、波平さんは会社勤めという設定なので55歳定年、つまりあと1年で定年という設定だったということです。そして、平均年齢が50歳だとすると、それよりも波平さんは長生きということで、今の75歳に相当するというよりも、85歳に相当するような年齢だったということです。
定年が50歳の会社では、定年して数年以内に亡くなっていたといことですが、今の年金制度を考えると、給付年齢は昭和19年に55歳、昭和29年に60歳、昭和36年に65歳になりました。以前は年金の給付期間は極めて短かったので、今のように年金が財政を圧迫するような状態ではなかったということです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)