健康ウォーキング4 歩くイベントがコロナ禍で軒並み中止

日本のウォーキングの始まりは1日1万歩運動で、運動習慣がない人に、できるだけ歩いてもらい、これを国民の健康づくりに役立てようということが目的となっていました。この目的がウォーキングによって達成されていれば、コロナ禍で大きなイベントが中止になっても、歩くことのイベントが中止になることはなくて、安心できる人数、安心できる距離を保ってのウォーキングは続けられていたはずです。
しかし、日本ウオーキング協会が主管して、全国の自治体が主催者となって実施されてきたウオーキング大会は、2020年3月から軒並み中止となり、年間150回以上の開催、年間延べ参加者が220万人以上という国民的イベントは、自治体の判断によって開催・中止が決められる体制では、いつ再開されるかわからないという状況が続いています。
そして、日本ウオーキング協会に加盟する47都道府県のウオーキング協会の活動も、その傘下の市区町村の団体も、自治体がストップをかけている状態では、小規模であってもイベントが開催しにくいという状況も続いています。
ウォーキング(もともとは歩け歩き運動)は、国民の運動不足を解消するために始められたものであることから、草の根運動的に各地域の人が歩いて、その積み重ねで国民的な健康度を高めていくことができたはずです。しかし、大きな大会があって、それを開催するためのピラミッド型の活動のために、それに頼ってウォーキングによる健康づくりをしてきたことによって、コロナ禍での健康づくりにウォーキングを活用しようとしても、できにくい状態になっています。
指導者は日本ウオーキング協会の所属で、しかも都道府県のウオーキング協会の傘下の団体が少なく、都道府県内で指導者がいない地域が実は多いという状況では、なかなかウォーキングで健康づくりが実施できない状態です。それならば、地域でのウォーキングの指導者を増やす活動を自治体(地区町村)単位で着手すべきではないでしょうか。