健康ウォーキング5 運動習慣がない人の歩数を増やす活動

新型コロナウイルス感染が拡大する前には、日本ウオーキング協会が主管するウオーキング大会は年間150回以上の開催、年間延べ参加者が220万人以上もいました。これ以外の都道府県のウォーキング協会などが開催するイベントも加えると、日本ウオーキング協会が関連するもので年間250回以上もありました。
国民の成人人口の約1億人のうち220万人は2%ほどですが、それでも健康を気遣わなければならない人たちが歩いて健康を目指していたら、それはすごいことで、それに誘発されて国民全体のウォーキング熱を高めるパワーにもなります。笹川スポーツ財団は、ウォーキングの実施率は週1回以上が32.9%(3412万人)になると発表しています。内閣府の調査では、国民の44%がウォーキングを実施していて、その数は4000万人を超えていると推計しています。
4000万人のうち高齢化率の30%で計算すると1200万人の高齢者がウォーキングを実施していて、このうちの正しい歩き方をしている人が半分なら600万人の健康度が高まり、高齢者の医療費が削減されてもよいはずです。しかし、そうはなっていなくて、高齢化率の高まりにつれて医療費も増えています。
これは正しい歩き方、健康度を高めるウォーキング法が普及されていないために、歩いている割には健康効果が得られていないということがいえます。
運動習慣がない人にこそ大きなウオーキング大会に参加して、そこで刺激を受けて日々のウォーキングを心がけてくれればよいのですが、日本ウオーキング協会が主催するウオーキング大会には常連の参加が多く、しかも全国のウオーキング大会を巡り歩いている常連が多いということです。常連が多すぎると新規の人は加わりにくいというのは、ウォーキングやスポーツなどに限ったことではありません。
歩いて健康になっている人の参加が多くて、歩いて健康になってほしい人の参加が少ないということでは、政府や厚生労働省が期待している“歩いて国民的な健康度を高める”ということは達成しにくいということになります。