健康寿命延伸のための提言36 提言のエビデンス4体格1

国立高度専門医療研究センター6機関(国立がん研究センター、国立循環器病研究センター、国立精神・神経医療研究センター、国立国際医療研究センター、国立成育医療研究センター、国立長寿医療研究センター)が連携して、研究成果として「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」を公開しています。提言のエビデンスの解説(第1回)を紹介します。
成人の体格を把握するために最もよく使用される指標がBMI(Body Mass Index)で、体格指数と訳されています。体重(kg)を身長の二乗値(㎡)で除して評価します(kg/㎡)。国際誌で発表される研究の多くが、BMI18.5未満をやせ、18.5〜24.9を標準体重、25.0〜29.9を過体重、30以上を肥満と定義しています。過体重と肥満を合わせて体重過多と呼ぶこともあります。
日本人を含むアジア人はBMIが同水準でも、欧米人と比較して内臓脂肪の蓄積が多いことが知られていて、BMI高値の解釈には特に注意が必要とされています。日本肥満学会はBMI25以上を肥満と定義しています。日本人の最も健康度が高いBMIは22とされていて、これを目指すことがすすめられています。
18歳未満の小児の体格評価は、国際的には性別年齢別のBMIパーセンタイル値による評価が一般的です。BMIパーセンタイル値(横断的成長曲線)が85パーセンタイル値以上で過体重、95パーセンタイル値以上を肥満と判定しています。日本では、性別・身長別の標準体重からの乖離によって体格を評価することも広く行われています。
国内の7コホート研究を統合して行った研究によると、男女ともに死亡全体のリスクは太りすぎでも、やせすぎでも高くなっています。全体として、男女ともBMI21〜27あたりが最も死亡全体のリスクが低い範囲であることが示されました。