子どもの肥満対策のメディカルダイエットが高齢者にも役立つ

メディカルダイエットは医学・科学に基づいた痩身法と認識されることがあります。それが含まれることは間違いがないのですが、それだけの範囲ではありません。生活習慣病の予防・改善から、生活のための機能を高めることまで全般的な能力を高めることを目的として、活動のための多くのエネルギーを作り出す方法でもあります。でもある、というよりも、そこに重点を置いて研究を進めてきました。
メディカルダイエットは、食事と運動、食事と休養、運動と休養を組みわせた効果的な体脂肪減少法として始まりました。そのきっかけは現在の国立成育医療研究センターの前身の医療機関の小児肥満の解決のプロジェクトに呼ばれたことでした。そのときは日本メディカルダイエット支援機構の理事長は、臨床栄養研究所のメンバーとして参加したのですが、小児肥満のための栄養指導をしても10人に1人くらいは通常の方法が通じないということがわかりました。家庭で継続できる栄養指導をして帰ってもらいましたが、その指導どおりの食事を保護者がいくらがんばっても通用しない、つまり食べてくれないという報告が相次ぎました。
今にして思うと、そのほとんどは発達障害児で、極端な偏食や落ち着いて食べられない、こだわりから特定の条件でしか食べないということがあって、指導どおりの食事を強要することができない子どもたちでした。発育段階の子どもは、体格面の成長だけでなく、内臓や身体機能などの成長も途中段階であって、一般的な成人を対象とした栄養指導の手法では通用しにくくなっています。それに特別な理由が加わると、これまで成果があげられてきた栄養指導が、まったく無力であると感じることもあります。
運動の専門家は運動療法で対応しようとするし、精神面の専門家はストレスや自律神経の面から対応するというように、バラバラにチャレンジしているところがありました。そこで検討されたのが食事と運動のタイミングによって体脂肪を効果的に消費する方法で、これに休養も組みわせて、食事と運動のタイミング、食事と休養のタイミング、運動と休養のタイミングによるエネルギー代謝の促進が研究され、これがメディカルダイエットの手法に進展しました。
初めこそ子どものための手法でしたが、対象者(性別、年齢など)に合わせてアレンジを加えることによって誰にも効果があげられる手法とすることができました。