健康情報55 中年太りの仕組みを解明

肥満は糖尿病や高血圧などのさまざまな生活習慣病につながることから大きな健康問題となっています。特に、欧米型の高カロリーの食事が普及し、飽食が進む現代では、加齢に伴って太りやすくなる加齢性肥満(中年太り)の発症メカニズムの解明は喫緊の課題です。これまでの研究から、加齢性肥満の原因として全身の代謝の低下があげられていますが、加齢に伴って代謝が低下する原因やメカニズムは不明とされてきました。

名古屋大学大学院医学系研究科の研究グループは、大阪大学医学部附属動物実験施設、東京大学医科学研究所、名古屋大学環境医学研究所との共同研究により、加齢性肥満の原因となる脳の仕組みを世界に先駆けてラットで発見したと発表しました。
研究グループは、代謝や摂食を調節する脳の視床下部のニューロン(神経細胞)に着目して、抗肥満機能を持つメラノコルチン4型受容体(MC4R)の細胞内局在が、ラットの加齢に伴って、どのように変わるかを調べました。

MC4Rを可視化できる世界初の信頼性の高い抗体を作製して調べたところ、MC4Rが視床下部ニューロンの一次繊毛というアンテナ構造に局在し、その一次繊毛が加齢に伴い退縮することを発見しました。MC4R局在一次繊毛の退縮は過栄養状態で促進され、摂餌量を制限すると抑制されました。

遺伝子技術を使って、若いラットのMC4R局在一次繊毛を強制的に退縮させると、摂餌量が増えるとともに代謝量が低下し、肥満になりました。また、肥満患者で起こるレプチン抵抗性を示しました。逆に、加齢に伴うMC4R局在一次線毛の退縮を人為的に抑制すると体重増加が抑制されました。

これらの結果から研究グループは、彼に伴って視床下部ニューロンのMC4R局在一次繊毛が退縮することによるMC4Rの現象が加齢性肥満の原因であることを突き止めました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕