学習障害113 茶葉に使われている農薬がお茶に溶け出ない理由

緑茶にはカフェインが含まれていて、眠気覚ましの作用があります。また、テアニンという旨味成分(アミノ酸)も含まれていて、これはストレス軽減作用が認められています。緑茶は脳を適度に刺激するとともに興奮しすぎないようにするという学習の合間に飲むには適したものといえます。
緑茶には抗酸化成分のカテキンが含まれています。日常的に摂ることができる抗酸化成分の中でもカテキンは抗酸化力(活性酸素を消去する力)が強く、緑茶を飲んでいれば活性酸素の害を心配することはない、と一般には考えられています。
抗酸化成分の多くは植物の色素で、緑茶といえば緑色が特徴であるので、この緑色が濃いほどカテキンが多く含まれるように思われがちです。しかし、実際にはカテキンは無色の成分で、緑茶の緑色はクロロフィル(葉緑素)によるものです。
お茶を何度も淹れ続けても緑色が出ている間は抗酸化作用があると思うのは間違いで、茶葉にお湯を注いでから時間が経過すると抗酸化作用どころが、逆に活性酸素を取り入れているようなことにもなりかねません。というのは、抗酸化作用が強い成分は、体内に入ってから酸化しやすく、抗酸化成分が酸化することによって、人間の細胞が活性酸素によって酸化しないようにされているからです。
茶葉にお湯を注いでから30分もすると、茶葉の酸化が進んでいて、それ以降は酸化したお茶を飲むことになります。お茶は30分以内に飲むことが必要で、一気に多くの量を飲むことができないという場合には、保温容器に早めに注ぎ、封をして酸化が進みにくいようにして、これを飲むことがすすめられます。
お茶は害虫に被害を受けやすいことから農薬が頻繁に使われます。農薬は水に溶ける成分と油に溶ける成分があります。茶葉は外で栽培することから、雨に当たっても農薬が流れないように油に溶けるタイプを使っています。だから、お茶として飲んでも農薬が溶け出て身体に入ってくるようなことはないのです。
しかし、お茶には茶葉のカスが残ります。この中には農薬が残っています。また、茶葉の有効成分はお茶に溶け出るものは少なく、茶葉のほうに多く含まれています。そこで茶葉をミルなどで砕いて、そのまま飲むことがすすめられることがありますが、その茶葉には油に溶ける農薬が残留しているので、この方法は絶対にすすめられません。