学習障害174 コロナ禍で栄養摂取の差が広がった

新型コロナウイルス感染によって、学習機会が変化したことから、学力の差が開いてきたことが文部科学省から報告されています。その開きの要因として指摘されるのは親の経済力の違いです。年間所得が多い家庭の子どもは成績がよい傾向があることは以前から報告されてきましたが、それがコロナ禍で格差が広がってきました。学校で学ぶ時間が減り、家庭にいる時間が長くなり、家庭での学ぶ環境(個室の有無、家庭教師や学習塾の利用など)によって、さらに成績の差が大きくなってきました。
コロナ禍は健康度を低下させることも指摘されています。外出の自粛による運動不足、家庭にいる時間が長いことによる食べ過ぎ、生活環境の変化やマスク着用によるストレスなど、これは子どもに限ったことではありませんが、健康面ではマイナスになることばかりです。そのような中にあって、体調を崩す子どもも増えてきていることが、文部科学省の「学校保健統計調査」(令和2年度)に結果として表れています。視力の低下は小学校、中学校、高等学校ともに過去最多になり、耳疾患は高等学校で、鼻・副鼻腔疾患は中学校と高等学校で過去最多になりました。
体重は平均的には大きな変化は見られないものの、肥満傾向の子どもは男女ともに増えました。その一方で、痩身傾向の子どもも増えました。太ったのは運動不足と食べ過ぎなどが原因ということは明らかです。やせたことの理由としてあげられているのは学校給食の回数が減ったことです。以前から、小学生と中学生の栄養調査から、学校給食が占めるエネルギー源の量、栄養素の量が多く、家庭での栄養不足を学校給食が補っているという現状がありました。学校に行く機会が減り、学校給食を食べる機会が減ったことで、それが明らかに影響していることがわかります。
栄養摂取は発達にも学習能力の向上にも欠かせないものであり、これを家庭で補うのは大変であっても、改善をしなければならない状況になっているということです。