学習障害8 漢字の書字教育について考える

漢字は小学1年生から学ぶものとなっています。入学前までには自分の名前を漢字で書けるようにしよう、それができない場合でも自分の名前の漢字は読めるようにしよう、ということは入学前に期待されることがあります。小学1年生で学ぶ漢字の中に名字が含まれる場合には、名前も同じように小学1年生で学ぶなから選んだということは以前にはあったようですが、キラキラネームの時代には、そんな親の思いも通じなくなっているようです。
発達の凸凹があって、学習の習得に差があったとしても漢字だけは小学1年生からスタートするので、遅れずに進める機会は保証されていることになります。しかし、漢字の書字障害はスタート時点から起こっていて、それが子どものプレッシャーを、さらに高めることにつながっているのは事実です。
なぜ、そのようなことが起こるのかというと、漢字の教育が画数の少ない文字から始めて、だんだんと画数が多い感じに移っていくことを基本としているからです。小学1年生で学ぶ漢字は、文部科学省の学年別漢字配当表では以下の80字になっています。
「一 右 雨 円 王 音 下 火 花 貝 学 気 九 休 玉 金 空 月 犬 見 五 口 校 左 三 山 子 四 糸 字 耳 七 車 手 十 出 女 小 上 森 人 水 正 生 青 夕 石 赤 千 川 先 早 草 足 村 大 男 竹 中 虫 町 天 田 土 二 日 入 年 白 八 百 文 木 本 名 目 立 力 林 六」
この順番は、学ぶ順ではなくて、読み順(あいうえお順)です。この学年別漢字配当表を張り出して覚えるように促している学校もあります。これを画数から「一 二 三」というように始めて、十までの漢数字を覚えるところから始めるわけですが、三までは画数が増えるだけでよいのに四以降になると画数と漢字が一致していません。ここが初めの混乱の元となります。
右と左、色(金、青、赤、白)という生活でよく使われる漢字は関係づけて覚えるようにします。それと同じように、他の漢字も関連づけて教えることが大切になってきます。