学術的な便秘の判断基準を知っておこう

便秘は毎日の排泄がない状態ではなくて、1〜2日くらい排泄がなかったとしても腹痛や苦痛がなければ医学的には便秘と判断されていません。小腸を通過してきた食塊は、ドロドロの状態で大腸に到達します。大腸では盛んに水分が吸収されて、ほぼ毎日の排泄であれば、いわゆるバナナ型と呼ばれる形と、適度な硬さとなります。大腸を通過するのに時間がかかると、それだけ水分が多く吸収されて、だんだんと硬さを増していきます。水分が吸収されると量が減っていくので、大腸の最終段階の直腸には何日分もの量を止めておくことができるわけです。
排泄の周期ではないとなると、何を持って便秘としているかということですが、2006年に消化器系科学雑誌で発表された6種類の便秘の判断基準が学術的に作用されています。このうち2つ以上が当てはまると便秘と判断されます。
1 いきみ(排便の4回に1回以上)
2 硬い便・小さく丸い便(排便の4回に1回以上)
3 残便感(排便の4回に1回以上)
4 閉塞感(排便の4回に1回以上)
5 指で便を掻き出す(排便の4回に1回以上)
6 排便が1週間に3回未満
これによると、回数的には日本人の場合には7日の間に4回の排泄があれば正常範囲だと考えることができます。回数に着目すれば、この他に1つが当てはまったら便秘ということになりますが、4回に1回以上ということで、苦しい状態があっても頻繁でなければ問題ないとされています。回数は毎日1回だったとしても苦しさが複数該当すれば便秘と判断されるので、腸の状態を正常に保つことは重要だということがわかります。