平成の30年間で砂糖の消費量が大幅に減った理由

塩分の過剰摂取は血圧を上昇させて、高血圧の要因になるので、塩分を減らすことを厚生労働省が音頭をとって実施したのですが、塩分摂取は思ったようには減ることはありませんでした。ところが、糖尿病の要因となる糖質を減らすことのほうは、大きな成果をあげました。成果という言葉を使うと、反論をしてくる人もいるのですが、糖質の代表格とされる砂糖の摂取は大きく減りました。大きく減ったといっても、何かのきっかけで突然に大減少をしたというのではなく、平成の30年間という長いスパンは必要ではあったのですが、30年間で砂糖の摂取量が28%も減りました。
砂糖はスイーツの重要な材料で、ダイエットのために甘いものを減らすことを言っても、なかなか減らしてもらえなかったのですが、糖質制限ということになると急に守ってもらえるようになりました。砂糖を使わないスイーツは甘さが足りないので、スイーツを呼んでよいのかわからないような状態になるのですが、和食に砂糖を使わないと素材本来の旨みを引き出すことができなくなります。砂糖を使ってこその和食ということです。
砂糖の消費量が28%も減ったといっても、そんなにもスイーツの甘みが減ったという感覚はないはずです。砂糖よりも甘味は強いものの、血糖値を上昇させない人工甘味料に切り替えられたという感覚もないはずです。では、何が減ったのかというと、やはり料理に使われる砂糖です。
塩分制限が叫ばれた時代には「塩分控えめ」というキーワードがうけて、塩分が少ないものが売れるということがありました。今は甘さ控えめがうけるようになり、甘味が抑えられていれば健康によいもの、ダイエットにつながるものとして売れるようになりました。砂糖の消費量が減った分だけ、肥満の人が減り、糖尿病の人が減ったということなら砂糖の消費量が減ったことを喜んでもよいのかもしれないのですが、肥満も糖尿病も相も変わらずの結果です。むしろ糖尿病の人は増えています。糖尿病と、その予備群は国民の5人に1人という恐ろしいくらいの割合になっています。
糖質制限の成果が、本当に現れているのか、疑問のほうが強くなっている状況です。