抗酸化成分の種類と働き2

アントシアニン
紫色の抗酸化作用がある色素で、ブルーベリー、ビルベリー、アサイーベリー、ブドウなどに豊富に含まれています。アントシアニンは目の毛細血管、水晶体、網膜に届きやすく、眼精疲労などの軽減作用が認められています。また、強い抗酸化作用によって、目の老化抑制、目の血流の促進のほか、網膜の色素体である脳への信号物質であるロドプシンの再合成を促進して、視力を高める効果があります。その結果、酸化ストレスが原因となる緑内障の抑制、加齢性黄班変性症の抑制などの研究が進められています。
イソフラボン
大豆の胚芽に多く含まれる色素成分のフラボノイドで、化学構造が女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)と似ているために同様の作用があります。フィトエストロゲン(植物エストロゲン)とも呼ばれ、ダイゼイン、ゲニステインなど15種類の大豆イソフラボンがあります。骨粗鬆症や更年期症状などの女性疾患の改善効果が認められ、乳がんに対する効果も研究されています。強い抗酸化作用があり、動脈硬化や脂質異常症のリスクを低下させるほか、肌の美白や保湿作用の向上なども認められています。
イチョウ葉エキス
イチョウの緑色の葉から抽出されるエキス。抗酸化成分のフラボノイドに血行促進効果が認められたことから注目を集め、ドイツを中心に生理機能の研究が行われ、1965年にはドイツでイチョウ葉エキスが医薬品として登録されました。現在では50か国以上で医薬品として使用されています。イチョウ葉エキスには30種類以上のフラボノイドが含まれ、フラボノイドには、血管を拡張して血行をよくするとともに、悪玉コレステロールとも呼ばれるLDLコレステロール(低比重リポ蛋白)の酸化を防いで動脈硬化を予防する作用や、末梢血管を拡げて神経細胞への血流を促進することによって脳の働きを高める作用もあり、海外ではアルツハイマー型認知症への有効性の研究が進められています。イチョウ葉エキスのフラボノイドには2つのフラボノイドが重なった二重フラボンが含まれ、血液循環効果は他のフラボノイドに比べて約3倍も高いことが認められています。イチョウ葉のフラボノイドの中には他にはない特有成分が含まれ、イチョウの漢字の銀杏(ぎんきょう)にちなんでギンコライドと名づけられました。相互作用として、血液凝固抑制薬のアスピリンとの併用で、血小板の剥離が進み、血管から出血することが認められています。