摂取タイミングとサプリメントの有効性

サプリメントは、いつ摂っても吸収に影響が出ないものがある一方で、摂るタイミングによっては吸収されないものまであります。それをサプリメント商品に表示してくれていたら、効果がないときに摂るという無駄なことをしなくて済むようになるはずです。しかし、そのような表示はされていません。これは法律(医薬品医療機器法)に基づく監視指導マニュアルによって、医薬品的な用法用量の表示が許可されていないからです。用法用量というのは、食前、食後、食中、食間といった摂取タイミングと摂取量のことで、朝食後に2錠というようなことは示せません。そのため「1日に4粒を目安に」というような、わかりにくい表示しかされていないわけです。
α‐リポ酸のうちR‐αリポ酸は胃液で分解されます。R‐αリポ酸とS‐αリポ酸を組み合わせたラセミ体にすると分解されにくくなるものの、分解されないわけではないので、摂取タイミングとしては胃液が分泌されない空腹時(食事と食事の間)となります。
コエンザイムQ10は脂溶性で、食事に含まれる脂肪があることによって吸収されます。空腹時に摂ったのでは吸収されなくなります。こちらは食後に摂るべきものです。コエンザイムQ10は食後、α‐リポ酸は空腹時と摂取タイミングが異なっているのに、この2つが一緒に使われたサプリメントがあります。というのは、α‐リポ酸にはブドウ糖を細胞のミトコンドリアに取り込む作用があり、コエンザイムQ10にはミトコンドリアでのエネルギー産生の補酵素の役割があるために、この両方を摂ることによって代謝が高まるからです。
ということは、α‐リポ酸とコエンザイムQ10が使われたサプリメントは、いつ摂ったらよいのかわからなくなってしまいます。ところが、いつ摂っても着実に吸収されるα‐リポ酸とコエンザイムQ10のサプリメントもあります。これはシクロデキストリン(環状オリゴ糖)によって包接したもので、胃液で分解されることもなく、脂肪がない状態でも小腸壁から効果的に吸収させられるので、これなら摂取タイミングが表示されていなくても問題なく摂ることができるというわけです。
α‐リポ酸、シクロデキストリンについては、このサイトの「サプリメント事典」を参照してください。