日本人の皮膚が弱い理由

日本人は世界の中でも肌が弱く、日焼けや肌荒れ、シミやシワができやすい国民だと言われています。肌のトラブルに対する抵抗力は人種や生活環境など、いくつかの要因があげられていますが、最も大きな理由としてあげられているのは角質層の薄さです。
皮膚は表皮、真皮、皮下組織に大きく分けられます。表皮は外側から角質層、顆粒層、有棘層、基底層の4層で構成されていて、日本人の角質層の厚さは約0.1mmであり、白人と比べると3分の2ほどの厚みしかありません。一般には角質層は0.1〜0.3mmとされているため、日本人の角質層は最も薄いといえるわけです。
日本人は角質層が薄いことによってメリットもありますが、その反面でデメリットも起こっています。日本人は表皮が薄い分だけ真皮と皮下組織が厚くて、角質層から真皮が透けて見えることから肌が白く見えやすくなっています。角質層が剥がれやすいために基底層で作られた細胞が有棘細胞、顆粒細胞と形を変えながら角質層まで上がってくるまでの期間が約2週間と短くなっていて、表皮の代謝サイクルのターンオーバーが起こりやすくなっています。そのため、肌の新陳代謝が盛んになり、肌の老化も進みにくくなっている。これは一つ目のメリットです。
もう一つのメリットですが、日本は高温多湿の環境から皮脂腺が発達しやすく、これが日本人の皮脂量が白人よりも20%も多い理由とされていますが、皮脂量が多いことで肌水分も多くなります。こういったことによって日本人は小ジワができにくく、きめが細かく、張りがあるという日本女性に特有の美肌を作り出しています。
ところが、今では紫外線を多く浴びる機会が増えると同時に、紫外線の量も増えて、さらに洗顔のしすぎや化粧品の使いすぎ、ピーリングなど皮膚にダメージを与える機会が多くなったことから、弱い肌が強い刺激を受けることになりました。これがデメリットを起こす結果となっています。