日本人の色素細胞メラノサイトの特性

皮膚にはメラニン色素を作り出すメラノサイト(色素細胞)があり、肌色(黄色)メラニンと黒色メラニンが作り出されています。メラノサイトの数は人種では大きな違いはないのですが、メラノサイトの活性度が人類によって異なっています。黒人種はメラノサイトが活性化しやすく、紫外線を浴びるとメラニン色素が活発に合成されます。メラニン色素が多くなるほど紫外線が通過しにくくなるため、黒人種は紫外線によるダメージを受けにくくなっています。強い紫外線を受けることによって皮膚の色が黒く、濃くなったということよりも、人種の特性によって紫外線が強い地域で活動しやすく、定着したものと考えられています。
白人種はメラノサイトが活性化しにくく、黒色メラニンを作り出す能力が低いため、白い肌となっています。メラノサイトはメラニン細胞刺激ホルモン(MSH)という情報伝達物質によってメラニン色素の合成が促進されますが、白人種はMSHの働きが低いことも肌が白い理由となっています。肌が白いことによって、紫外線による日焼けやシミなどが起こりやすくなっています。
日本人を含む黄色人種は、メラニンを作る能力は高く、紫外線を多く浴びなければ白い肌を維持することができるものの、紫外線を多く浴びるほどメラニン色素が多く作られ、褐色の肌になりやすい特徴があります。メラノサイトは紫外線を浴びるほど活性化しやすくなり、メラニン細胞刺激ホルモンも多く合成されるようになることから白い肌には戻りにくくなっています。
メラニンを作り出す能力が高い黒人種と黄色人種は紫外線を浴びることによって色素沈着が起こりやすいわけですが、日本人は角質層が薄いこともあって紫外線を浴びやすく、色素沈着が目立ちやすい肌色であることから、より紫外線のダメージを受けやすくなっています。