治検24 血球検査その1

血球は血液中の液体以外のもののことで、赤血球、白血球、血小板を指しています。それぞれの検査は、健康の維持・増進の基本として実施されています。

〔貧血〕
貧血は、血液中の赤血球にある酸素を運ぶ役割のヘモグロビンの濃度が低くなった状態です。全身に酸素を運ぶ赤血球が何らかの原因によって減ったために起こる酸欠状態を指しています。
貧血の種類としては、鉄不足による鉄欠乏性貧血、ビタミンB₁₂や葉酸が欠乏して赤血球になる前段階の赤芽球が成熟できなくなる巨赤血球性貧血、赤血球が早く壊されて不足する溶血性貧血、骨髄の増血機能に異常が生じる再生不良性貧血があります。
最も多い鉄欠乏性貧血は女性に多く、月経の出血もあって30代女性では20%が該当するといわれています。高齢者にも鉄欠乏性貧血が多くなっています。
顔色が悪い、疲れやすい、動悸や息切れ、頭痛、めまい、集中力の低下などが共通する症状です。

〔ヘモグロビン〕
ヘモグロビンは赤血球に含まれる赤い血色素で、血色素とも呼ばれます。鉄を含むヘムとタンパク質のグロブリンから構成されています。
全身に酸素を供給する働きをしていて、肺で酸素を受け取り、血液によって運ばれ、必要な組織に酸素を供給しています。血液が酸素を運搬する能力は、ヘモグロビン量とほぼ比例しています。
鉄が不足するとヘモグロビンが減少し、各臓器は酸素不足のために機能が低下します。
基準範囲は、男性では13.1〜16.3g/dl、女性では12.1〜14,5g/dlです。
ヘモグロビンと血液中のブドウ糖が結びついたものがヘモグロビンA1cで、長期間にわたって血糖値が高い場合に数値が上昇することから、糖尿病の診断に使われます。

〔ヘマトクリット〕
ヘマトクリット(Ht)は一定量の血液に含まれる赤血球の割合のことで、その数値はヘマトクリット値と呼ばれます。貧血や赤血球増加の程度を判断する基準として使われます。
赤血球数が減るとヘモグロビン量が減り、ヘマトクリット値が下がるというように、3種類の値は関連して増減しています。この変化から貧血の種類が診断されます。また、ヘマトクリット値が低い場合には鉄欠乏性貧血が疑われ、高い場合には多血症や脱水症、心臓や肺の疾患や腫瘍が疑われます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕