理想実現のための代謝促進22 エネルギー代謝による糖尿病対策

糖尿病は血糖値が急上昇して、なかなか血糖値が元の状態に戻らないことが特徴です。血糖は血液中のブドウ糖のことで、血糖値が上昇すると、これに反応して膵臓から血糖値を降下させる唯一のホルモンのインスリンが分泌します。インスリンには細胞にブドウ糖を取り込んでエネルギー化させる作用があるので、インスリンが多く分泌されることによって血糖値が下がっていきます。

インスリンが多く分泌されなくなると血糖値が下がりにくくなり、その状態が長く続くと糖尿病と診断されます。糖尿病は血糖値と、血糖値が高い状態が続いたことによって上昇するヘモグロビンA1cの数値が診断に用いられています。

糖尿病に使われる血糖降下剤は糖質からブドウ糖への分解の抑制から始まりますが。糖尿病と診断されたら、すぐに血糖降下剤が処方されるわけではありません。食事療法による摂取エネルギー量の抑制、運動療法によるエネルギー消費を実施した上で、必要な医薬品の量が決められます。

細胞にブドウ糖を取り込むときには、インスリンに反応してブドウ糖を通過させやすくする酵素が働いていますが、この酵素の働きを高めるためには細胞内のエネルギーが必要になります。

細胞に取り込まれたブドウ糖がエネルギー源となってエネルギーが発生するわけですが、そのためには酵素を働かせるエネルギーが必要ということで、エネルギーが細胞内で多く作られることは、血糖値を安定させるための好循環につながります。

ブドウ糖をエネルギー化するのは細胞のミトコンドリアで、その中にある代謝システムのTCA回路では高エネルギー化合物のアセチルCoAに変化する必要があります。そのためには複数の水溶性ビタミンが必要になります。水溶性ビタミンが不足した状態では、ブドウ糖のエネルギー代謝が進みにくいということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕