理想実現のための代謝促進26 解毒能力を高めるエネルギー代謝

肝機能は年齢を重ねると低下していきます。その理由の一つは加齢によって肝臓が萎縮していくことで、肝臓が小さくなると、その分だけ肝臓が処理する生化学反応も低下していきます。肝細胞のピークは20歳代で、2500億個もあります。

肝細胞の数は20歳代に比べて、60歳では70%ほどになります。それに連動して肝臓の処理能力は20歳に比べると30%ほど低下、つまり70%ほどになることが報告されています。

もう一つの肝機能が低下する理由は、それぞれの細胞を働かせるためのエネルギー量が減っていくことで、肝細胞は非常に多くの働きをしているので、多くのエネルギーが必要となっています。全身で使われる消費エネルギー量のうち、肝臓、脳、筋肉が、それぞれ20%ほどを使っています。

発生するエネルギー量が減るのは、エネルギー源(脂肪酸、ブドウ糖)が細胞のミトコンドリアに取り込まれる量が加齢によって減っていくからです。1gあたりのエネルギー量は脂肪酸が約9kcalに対して、糖質は約4kcalで、脂肪酸のほうが2倍以上も多くなっています。

脂肪酸をミトコンドリアに取り込むためには、代謝促進成分のL‐カルニチンが必要です。脂肪酸は単体ではミトコンドリアの膜を通過することができなくて、脂肪酸とL‐カルニチンが結びつくことで初めて通過することができます。

肝臓が小さくなっていっても、エネルギーが以前と同じように発生していれば、肝細胞の数の減少の範囲で収まるはずです。ところが、L‐カルニチンは20歳代前半をピークにして徐々に減少していきます。

減少率は20歳を100%とすると60歳では75%ほどになっています。肝臓が70%の大きさになり、それが75%の機能低下ということで計算すると「70%×75%」で、52.5%となります。

肝細胞の機能を若いときと同じように保つことができれば、減少率を30%に抑えることができるということで、減少していくL‐カルニチンを補うためにサプリメントを使用する方法があります。L‐カルニチンは以前は医薬品の成分でしたが、今では食品の成分としての使用が許可されています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕