発達栄養学118 野菜が食べられない子どもの対応4ビタミンの話3

代謝と抗酸化のビタミンについて前に紹介しましたが、それぞれのビタミンの役割は異なっています。健康の維持・増進には、どれも必要になることを示すために、簡単にまとめて紹介します。今回は水溶性ビタミンです。
ビタミンB₁:糖質のエネルギー代謝に必要な補酵素としての働きがあり、疲労回復のビタミンとも呼ばれます。脳の唯一のエネルギー源でもあるブドウ糖をエネルギー源として利用するときにビタミンB₁が必要で、不足すると脳の低血糖状態を引き起こし、中枢神経や末梢神経の働きが低下します。植物性食品では大豆、ニンニク、ネギ、玄米、種実類などに多く、動物性食品では豚肉、ウナギ、カツオ、レバーなどに多く含まれます。
ビタミンB₂:糖質、脂質、たんぱく質のエネルギー代謝の補酵素で、特に脂質の分解・合成に深く関わっているため、不足すると血液中の中性脂肪や体脂肪の増加を引き起こします。ビタミンB₂が欠乏すると口内炎、舌炎症、口唇炎、角膜炎などが起こります。脂質の摂取が多くなるとビタミンB₂の必要量が増え、体内で不足しやすくなります。植物性食品では大豆や野菜、種実類に多く含まれ、動物性食品ではウナギ、サンマ、レバー、牛乳などに多く含まれます。
ビタミンB₆:糖質、脂質、たんぱく質のエネルギー代謝の補酵素で、特にたんぱく質の分解・合成に深く関わっているため、不足すると貧血や肌荒れ、湿疹、神経系の異常などを引き起こします。植物性食品ではバナナ、パプリカ、サツマイモ、玄米に多く含まれ、動物性食品では魚や肉に多く含まれます。
ビタミンB₁₂:脂質のエネルギー代謝の補酵素で、中枢神経や脳の機能を維持する作用があります。造血作用に関わり、葉酸とともに骨髄で正常な赤血球を作り出すのに欠かせません。食品では、レバー、肉、魚介類などの動物性食品に多く含まれます。動物性食品を摂らないと不足して、エネルギー代謝に悪影響が出ることにもなります。