発達栄養学119 野菜が食べられない子どもの対応4ビタミンの話4

前回のビタミンB群に続いて、それ以外の水溶性ビタミンを紹介します。
ビオチン:糖質、脂質、たんぱく質のエネルギー代謝に関わる補酵素で、皮膚や粘膜の健康維持に関わっています。魚、肉、卵、豆類、野菜などに含まれるため、通常では不足することはありません。
パントテン酸:補酵素のコエンザイムの構成成分であり、たんぱく質、脂質、糖質のエネルギー代謝の補助役として必須となります。皮膚や粘膜の健康維持に関わり、HDLコレステロール(善玉コレステロール)値の上昇、抗ストレス作用のある副腎皮質ホルモンや神経伝達物質の合成、免疫抗体の合成、解毒などの作用にも関与しています。食品では肝臓、肉類、魚介類に含まれますが、加熱や加工によって失われやすくなっています。
ナイアシン:体内では最も多いビタミンで、糖質、脂質、たんぱく質からエネルギーを産生する過程で補酵素として働きます。アルコールから発生する毒性の強いアセトアルデヒドを分解する際の補酵素としても働きます。食品では、カツオ、マグロ、たらこ、レバーなどに多く含まれます。
葉酸:ビタミンB₁₂とともに新しい赤血球を正常に作り出すために必要であることから、造血のビタミンとも呼ばれます。タンパク質や細胞新生に必要な核酸を合成するために欠かせず、血液中のホモシステインを減少させる作用があります。ホモシステインは血管内皮を傷つけることで弾力性を失わせ、動脈硬化を促進させるため、葉酸を摂ることで動脈硬化の予防が期待されます。食品では、緑黄色野菜に多く含まれます。
ビタミンC:活性酸素を消去する働きのほかに、コラーゲンの生成、ミネラルの鉄の吸収を高める働きがあります。加熱に弱いために、生で食べることがすすめられます。食品では野菜、果物に豊富に含まれます。