発達栄養学18 代謝促進成分によるエネルギー産生の仕組み

代謝促進成分のα‐リポ酸は、ブドウ糖をエネルギー燃焼に適した形のアセチルCoAに変換させるとともに、エネルギーを作り出す細胞のミトコンドリア内のTCA回路内での補酵素として働き、エネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)の産生に不可欠な成分となっています。
L‐カルニチンは、脂肪酸と結びついてミトコンドリアの膜を通過する働きがあり、脂肪酸はミトコンドリア内でエネルギーを作り出すのに必要なアセチルCoAに変換されて、エネルギー産生サイクルのTCA回路に送られていきます。
コエンザイムQ10は、エネルギーを生産するために欠かせない脂溶性のビタミン様物質で、ミトコンドリアの中でATPを合成する酵素の作用を助ける補酵素となっています。
代謝促進成分は、すべての細胞の中でエネルギーを発生させると同時に、そのエネルギーが細胞の新陳代謝を高めることから、すべての栄養素、サプリメント、そして医薬品を活かすための基本中の基本となる成分となっています。
年齢を重ねるにつれて細胞の再生が遅くなり、老化が進んでいくのは、代謝促進成分が体内で減少していくためであり、エネルギーを作り出す代謝促進成分が不足することで、脂肪がエネルギーとして使われずに脂肪細胞の中に蓄えられていくようになります。
年齢を重ねていくにつれて太っていくのは、食べすぎや運動不足、筋肉が減ることによって代謝が低下することが大きな原因とされているものの、それだけではありません。脂肪と糖質からエネルギーを作り出す代謝促進成分が不足していることで、本来ならエネルギーとなって消費されるべきエネルギーが蓄積される脂肪に回ってしまった結果です。
エネルギー源を効果的に燃焼させる方法によって余分な脂肪として蓄積されるものを、本来のエネルギーとして使うことができれば、全身に60兆個以上もある細胞の一つひとつのエネルギーを増やしていくことができるようになります。そして、細胞自体の活性化とともに、細胞の機能を高めることで他の細胞、他の器官を活性化させ、そして全身を活性化させることができるようになっていきます。