発達障害支援23 地域性とコミュニケーション

発達障害がある子どもは、言葉で伝えられたことの意味を文字面(もじづら)そのままで捉えてしまうところがあります。言葉の裏に本音が秘められていたり、比喩として言われても、それに気づくことなく、行動することがあります。

特に自閉症スペクトラム障害で多く見られることですが、やってほしいことを言い続けてもやってくれないことに業を煮やして、「もうやらなくていい」と言ったとします。これは間違いなく「やってほしい」という気持ちであるのに、そのままの意味で受け取る子どもは、「やらなくていい」と感じて、「やらなくていいと言われたことをやったら叱られる」というように真正面から捉えてしまうことがあります。

絵の好きな子どもに、「上手に描けたら見せてね」と言うと、自分で納得できるまで絶対に見せないというのが特徴で、納得していない絵を見ようとすると激しく抵抗されることがあります。

そのことを理解して、本音で伝えるべきであるのに、本音を言わない文化性、回りくどい言い方をする地域は、住みにくい環境となってしまいます。発達障害があるとコミュニケーションが苦手で、それを克服するには、できるところから取り組まなければならないのに、本音を出さない地域、その例としてよくあげられるのは京都ですが、暮らしにくい環境となりかねません。

「元気なお子さんですね」は騒がしい、「ピアノがお上手ですね」は音がうるさい、「絵を描くのが好きなのですね」はうまくならない、といった意味を伝えるために使っている地域は生きにくい地域性そのものとなります。

では、本音をぶつける地域はどうなのかというと、京都と比較されることが多い大阪は、相手がどう感じるかということよりも、自分の気持ちで話すことが多く、それが発達障害児にも発達障害者にもプレッシャーになっていることは、なかなか理解されないところがあります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕