紫外線は目にも皮膚にも悪影響

紫外線の害は皮膚だけではなく、目の水晶体にも大きな影響を与え、紫外線を浴びる機会が多くなるほど白内障を起こしやすくなります。白内障は眼球の水晶体が濁って、視力が低下し、悪化すると失明する疾患となっています。紫外線は水晶体に吸収されやすく、紫外線を浴びる量が増えるほど水晶体のタンパク質が変化して濁るようになります。白内障の一番の原因は老化ですが、その原因の20%ほどは活性酸素の影響とされています。
紫外線が水晶体を通過するときに活性酸素が発生して、水晶体のタンパク質を変性させるため、紫外線を浴びるほど水晶体が白く濁っていくようになります。これを防ぐために、紫外線カットの眼鏡レンズやサングラスが開発されています。
紫外線の量は季節によって異なり、UVAは年間を通じて量が大きく変化しないのに対して、UVBは5月から9月の間が多く、8月、9月がピークとなっています。UVBは大きなシワを作る原因となっていることから美容にとっては大敵になっているものの活性酸素の発生量は多くはありません。それに対してUVAは日焼けを起こすと同時に活性酸素を多く発生させます。活性酸素が多く発生すると、その影響は表皮だけで終わらず、真皮の細胞を傷つけて大きなシワや消えにくいシミの原因にもなるので、UVケアと同時に活性酸素を消去することにも気を使わなければなりません。
日本人は、世界でも肌が弱く、日焼けや肌荒れ、シミやシワができやすい国民だと言われています。肌のトラブルに対する抵抗力は人種や生活環境など、いくつかの要因があげられていますが、最も大きな理由としてあげられているのは角質層の薄さです。皮膚は表皮、真皮、皮下組織に大きく分けられます。表皮は外側から角質層、顆粒層、有棘層、基底層の4層で構成されていて、日本人の角質層の厚さは約0.1mmと白人と比べると3分の2ほどの厚みしかありません。一般には角質層は0.1〜0.3mmとされているため、日本人の角質層は最も薄いといえます。