続けられるスポーツにはスタイルも大切だ

誰もが、いつでも、どこでも実施できる生涯スポーツという話を前回したときに、思い出したことがあります。それはウォーキングの標語で、日本ウオーキング協会が設立したとき、当時の名称は日本歩け歩け協会でしたが、「いつでも、どこでも、誰でも、どんな格好でも」という標語を打ち出したおかげで、国民的に広がりました。全都道府県にウオーキング協会があり、都道府県内にも市区町村協会が設けられて日常的にウォーキングイベントが行われています。
“どんな格好でも”という標語から始まったせいだとは言うつもりはないのですが、ウォーキング大会を見ると似たようなスタイルで歩きに来ている人ばかりです。シューズを除けば釣りのスタイル、と言われることもあります。それに合わせることはなくて、最近ではランニングのようなスタイリッシュな姿が増えてきています。それこそ歩きやすければ自由なスタイルで参加してよいのですが、できることなら初めて参加する方々が憧れるような、着てみたい、着て参加してみたいというようなオシャレな格好であってほしいものです。
ここから話は生涯スポーツのアレンジとして考えている新スポーツに変わりますが、老若男女が違和感のないスタイルがほしいのは同じことです。ユニフォームとなるとスポーツをやっているときには格好はよくても、会場まで着ていく、着たまま帰るとなると地域の景色に溶け合わないこともあります。また話は変わりますが、女子中学生が「制服がカッコいいから高校進学を決めた」ということがあるように、格好のよいスタイルだから続けられるという意識もあります。
新たなスポーツを開発するときには、競技内容を考え、ルールを考え、場所探しと普及法を考えるという手順となるところですが、格好よく感じるスポーツを念頭に置いて、スタイルや競技性などを踏まえた開発に取り組むことが重要だと考えます。その考えに従って、地域で健康増進のために動いている方々と連携を進めているところです。