羊肉はL‐カルニチンのプラス効果だけなのか

「羊肉は、ひょっとすると身体によくないのではないか」と聞いてきたのは、健康ネタを扱うテレビ番組のAD(アシスタント・ディレクター)です。ADからの質問には親切に答えるようにしています。勉強途中で、情報は何よりも大切で、先々はディレクター、プロデューサーを昇っていく方々です。後に偉くなるから今のうちに関係を深くしておこうという下心からではありません。しかし、実際には日本メディカルダイエット支援機構がPRに加わった納豆と豆腐の広報活動で窓口のADだった方々が今ではディレクターにもプロデューサーにも制作会社の代表にもなっていて、権限を持つ立場であるので、よい情報伝達先であることは期待値としてはあるのですが。
羊肉には脂肪酸を細胞内のミトコンドリアに取り込むために必要なL‐カルニチンが多く含まれているので、一時期「太らない肉」と評判になりました。羊肉にはL‐カルニチンが多いのは事実で、子羊のラムよりも成肉のマトンのほうがL‐カルニチンが多く含まれています。しかし、羊肉には脂肪が含まれているので、食べすぎれば太らないどころか逆に太ることもあり得るわけです。
話はそれだけではなく、羊はL‐カルニチンのおかげで細胞でのエネルギー産生が多く、体温が高いこともあって、血液温度も44℃ほどと高くなっています。羊肉の脂肪は高い血液温度で溶けていて、それが人間の血液に入ると、37〜38℃と低いことから固まりやすくなり、流れが悪く、いわゆる血液ドロドロの原因となります。日本人は特に血液温度が37℃ほどと低くなっていることから、なおさら固まりやすくなっています。
このことを見ると、日本人にとって羊肉は身体によいのか、よくないのか、よくわからなくなってしまいます。しかし、L‐カルニチンが脂肪代謝を盛んにすることは間違いなく、若いときには体内で多く合成されていたのに年齢を重ねるにつれて減少する一方で、これが代謝を低下させる原因となっています。L‐カルニチンは食品成分としての使用が許可されているので、サプリメントとして摂取することが可能です。羊肉に限らず、肉食が多いときにはL‐カルニチンを摂ることがすすめられる理由は、ここにあります。
L‐カルニチンについては、このサイトの「サプリメント事典」を参照してください。