脂肪の分解に関わる健康食品とメディカルダイエット

脂肪は分解されてから吸収されるので、分解を抑制することによって吸収を抑制することができます。食品に含まれている脂肪は中性脂肪の形となっています。中性脂肪は3個の脂肪酸を1個のグリセライドが結びつけたもので、貯蔵型の脂肪となっています。体内に貯蔵されている脂肪、つまり脂肪細胞の中に蓄積されているのは中性脂肪で、食品に含まれている脂肪も同じく中性脂肪となっています。
中性脂肪は胃から分泌される胆汁酸によって包まれた胆汁酸ミセルとなって小腸に運ばれます。胆汁酸ミセルから中性脂肪が放出されて吸収されますが、胆汁酸ミセルを安定化させることによって、中性脂肪の放出を抑えます。これによって中性脂肪が脂肪酸に分解される量を減らすことができるようになるわけです。
脂肪分解抑制作用のある素材として有名なのは難消化性デキストリンです。加熱処理したトウモロコシ、ジャガイモのデンプンを酵素処理した難消化性の高分子で、特定保健用食品の成分ともなっています。ブドウ糖の吸収を緩やかにして血糖値の上昇を抑えるとともに、腸内細菌の善玉菌を増やす作用、LDLコレステロール値低下などの働きがあります。また、脂肪を胆汁酸が包んだ胆汁酸ミセルを安定させて脂肪が放出されるのを抑える作用があります。このダブル(W)の働きがあることから、糖にも脂肪にも効果があるダイエット素材として使われています。
難消化性デキストリンの摂取タイミングですが、胃から腸の中に脂肪がある間に摂ることで、脂肪の分解が抑制されます。脂肪は胃の中で完全に消化されるまでは6時間ほどかかります。糖質の2時間、たんぱく質の4時間に比べると長くなっていますが、脂肪分解抑制成分が効果を発揮するのは30~60分間であるので、食後だけでなく食事から6時間までの間で早めに摂ることで効果を高められます。