脂肪代謝促進研究24 L‐カルニチンと有酸素運動の組み合わせ

代謝促進成分のL‐カルニチンがサプリメントとして摂取できるなら、これまでの生活を続けたままL‐カルニチンを補えばよいと考えられがちです。しかし、L‐カルニチンの役割は脂肪酸を細胞のミトコンドリアに通過させることです。ミトコンドリアに取り込まれる脂肪酸が増えるだけで代謝が高まるものの、脂肪酸の取り込み量に応じて自動的にエネルギー産生が高まっていくわけではありません。

脂肪酸が多く取り込まれても、ミトコンドリアの中のTCA回路のエネルギー産生が進まなければ材料過多になります。自動車に例えると、ガソリン(脂肪酸)を多く入れても、エンジン(TCA回路)が盛んに動かなければ充分に走行(エネルギー産生)することはできません。TCA回路が盛んに働くのは運動をしたときです。

運動が不足していたら、なかなかやせないのと同じことですが、TCA回路の働きを高めるためには、身体を動かすことが必要で、L‐カルニチンを摂っているからと安心して、運動を減らす、食事も調整しないということではいけません。

脂肪酸の代謝には有酸素運動が有効となります。TCA回路にはブドウ糖も脂肪酸もアミノ酸もアセチルCoAという高エネルギー化合物に変化して取り込まれていきます。アミノ酸は体内のタンパク質を構成する重要な成分であるので、できることならエネルギー源としては使われるのは避けたいものです。

アミノ酸はブドウ糖と脂肪酸が不足したときに初めてエネルギー源となります。だから、脂肪酸が不足しないように、脂肪酸を通過させるL‐カルニチンが重要になるのです。

TCA回路では、アセチルCoAが変化したクエン酸から9段階の変化を経て、エネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)が作られています。そのときには酸素が必要で、酸素が不足していたのではエネルギー代謝が盛んになりません。だから、L‐カルニチンを使うなら合わせてウォーキングなどの有酸素運動も行ってほしいのです。

〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕