脂肪代謝促進研究25 L‐カルニチンで体脂肪は減らせるのか

L‐カルニチンが代謝促進成分であることがわかると、脂肪細胞の中に蓄積されている体脂肪を減らす効果が当然のように期待されます。体脂肪は中性脂肪のことで、貯蔵型の脂肪となっています。脂肪の最小単位は脂肪酸です。3個の脂肪酸が結びついたのが中性脂肪で、結合役をしているのはグリセロールという油脂の構成成分です。

3個の脂肪酸と1個のグリセロールが結びついたものはトリグリセロールといい、この和訳が中性脂肪です。酸性、中性、アルカリ性といったpH(ペーハー)、つまり水素イオン濃度指数とは関係がありません。

貯蔵型の中性脂肪は、動物の肉に含まれている脂肪の形であり、脂肪が含まれた食品を食べると脂肪分解酵素のリパーゼによって分解されて、脂肪酸として吸収されます。血液中に入った脂肪酸は2つのルートがあって、1つは細胞に取り込まれてエネルギー化されて、1つは肝臓に運ばれます。肝臓では脂肪酸は中性脂肪に合成され、脂肪細胞の中に蓄積されていきます。

この脂肪細胞の中の中性脂肪は、運動をするか、体内のエネルギー源が不足したときに分解されて血液中に放出されます。その脂肪酸をミトコンドリアの膜を通過させるときに役立つのがL‐カルニチンです。L‐カルニチンは代謝促進成分であり、L‐カルニチンが不足すると代謝が低下するのは事実ですが、L‐カルニチンを摂れば単純に中性脂肪の分解が進むわけではありません。

中性脂肪が分解されて脂肪酸になるためには、運動によってホルモンのアドレナリンが分泌されることが必要で、そのためには脂肪酸をエネルギー化させるウォーキングなどの有酸素運動が有効となります。何もしないで脂肪代謝が進んでくれるわけではないのです。といっても、運動などをした効果はL‐カルニチンを摂らなかったときに比べると跳ね上がっています。

〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕