脳の健康寿命84 体内時計を調整する早起き朝ごはん

1日は24時間ですが、人間の体内時計は、それよりも長くなっています。一時期は体内時計は25時間と言われ、今でも多くの書籍でもネット情報でも25時間と書かれたものが多くなっています。しかし、実際には多くの研究によって24時間11分だということが明らかにされています。
以前のように25時間と1時間も長いとなると、24日で24時間になるので、このズレは大きいという印象がありました。それに対して11分だと24時間になるのは130日もかかることになります。4か月ちょっと(10日くらい)ということですが、だからといってズレたままでよいというわけにはいきません。
海外に旅行をして、大きな時差のズレがあると時差ボケが起こって、脳を正常に働かせようとしても、うまくいかなくなります。脳は全身をコントロールしているので、全身の機能に影響が出てきます。時差ボケがあるときには、どれだけ長く寝ても身体の疲労が解消されないのは脳の負荷が強くなっているということです。
1日の時差(11分の分差)では、本人が気づくほどの違いではないとしても、ズレを修正しておかないと脳の負荷は高まったままです。このズレを解消するためには、当たり前の健康法のように聞こえるかもしれませんが、早起きをすることです。
ただ、早起きすればよいというわけではなくて、起床したら日光を浴びるようにします。日光に含まれるブルーライトによって、すぐに目覚めるということではなくて、朝日を浴びてから約15時間後に睡眠のリズムをコントロールするホルモンのメラトニンが多く分泌されるようになります。曇りであってもブルーライトは晴天の50%ほどの量はあるとされます。
そして、起きてから、あまり時間がたたないうちに朝ごはんを食べることです。食事をすることで自律神経の調整が始まります。メラトニンの材料はトリプトファンという必須アミノ酸で、肉、魚、卵、乳製品、大豆に多く含まれています。これを朝に摂ることでメラトニンの分泌が高まります。代表的な朝食のメニューは理にかなっていたのです。