自律神経の調整が乱れると健康被害が発生する

自律神経の調整が正常に行われていれば、活動と休養のタイミングに合わせて全身の機能が保たれているわけですが、自律神経の調整に乱れが生じると、安静にしていなければならないときにも心臓の鼓動が高まり、興奮をして休めない、眠れないという不調が起こるようになります。
胃腸の状態では、食事をしたあとにはリラックス状態になって胃液や胆汁が多く分泌され、消化されたものを的確に吸収されるようにしなければならないわけですが、興奮した状態になっていると胃液が分泌されにくくなって消化が抑えられ、吸収も遅れがちになって腸にも余計な負担をかけるようになります。
自律神経は、交感神経と副交感神経に大きく分けられています。自律神経は血管に沿って全身の臓器や器官に張り巡らされていて、状況に応じて交感神経と副交感神経が切り替わり、全身の働きをコントロールしています。
寒いときには血管が縮んで放熱を抑えるようになり、暑いときには血管が広がって放熱を盛んにするようになるのも、交感神経と副交感神経の切り替えによって行われています。
自律神経の調整は、よく自動車のアクセルとブレーキにたとえられます。アクセルに当たるのが交感神経で、主に興奮作用を担っています。ブレーキに当たるのが副交感神経で、興奮しすぎた臓器などの働きを抑え、心身ともに抑制する働きがあります。
交感神経は身体を活動的にさせるものであるので、分泌や収縮を盛んにさせる働きをするのが原則となっている。心臓の鼓動を進めるが交感神経で、抑えるのが副交感神経ということですが、胃と腸は逆に副交感神経によって働きが盛んになっています。そして、交感神経のほうが抑制の働きをしています。交感神経は身体を活発に働かせるためのもので、消化・吸収は逆に身体を働かせるためのエネルギー源を取り込むための働きであることから、副交感神経が担っているわけです。
副交感神経の働きが盛んになるべきときに、交感神経の働きが盛んになるような生活、つまり夕方以降や就寝前の時間にテレビやパソコン、スマートフォンなどを見て、興奮状態になるようなことを続けていると交感神経の働きすぎによって活性酸素の発生量が多くなります。これらの液晶画面から発するブルーライトには交感神経を刺激する作用があるので、ますます交感神経が優位な状態になります。交感神経が働いている時間が長くなるほど、活性酸素の発生量が多くなることを知って、夕方以降には液晶画面を見る時間は減らすようにしたいものです。