講演で飛び出す“不真面目”トークの意味

セミナーや講演のときに、真面目な話が続いたときに、ちょいちょい“駄言”を入れることがあります。これはくだらないギャグのような言葉であっても、それなりに役に立つ示唆に富む言葉という意味合いで使っています。
「身から出たサービス」の原型は“身から出たサビ”ですが、このほかに「絵に描いたモチベーション」「オンをオフで返す」「狂気の沙汰も金次第」「腐ってもタイアップ」「信じる者は足元をすくわれる」「頼みの綱渡り」「鰯の頭の新人」「溺れる者は久しからず」「なくせ七癖」「猫に“こんばんは”」「能ある鷹は詰めを欠かさず」「渡る世間に鬼は外」「笑う門には福は内」、そして最後に「腹が減ってはいいクソが出ない」まで言いたい放題です。
このようなことを考えるきっかけとなったのは父です。父がダジャレ好きだったということではなくて、父が勉強していたのは諺(ことわざ)でした。警察官だった父は現役時代に住民との交流のための基礎知識と言って、教養を身につけるための書籍を多く持っていました。これは警察署に行商のように回ってくる出版社が紹介したもので、諺だけでなく、健康の話題、豆知識など、今でいうところの雑学の書籍ばかりでした。
後に東京で出版関係の仕事をする中で、知り合った会社が、この書籍を発行していたことを知り、警察官の役に立つのなら、と手伝いをさせてもらいました。このときに手がけた書籍は、私のゴーストライター歴184冊には加えていません。1人だけで全部を書いたわけではないからです。
諺には、示唆に富んだ、暗に教えられるところを多く含んだ意味合いがあり、そのことを強く印象づけて、健康に役立つ話が記憶に残りやすくしたいために「身から出たサービス」などを使っています。例えば、「頑張って伝えようと一生懸命にサービスとしていることが、周囲の人に役に立っても、サービスしている側は疲れ果てて結局はサービスが続けられなくなってはいけない」というメッセージを込めて、新たな情報を常に入れて、情報を更新していくことが重要であるということを話しています。ところが、「身から出たサービス」しか覚えていなくて、仲間内のギャグに使っているという報告を聞くことも少なくありません。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)