身体年齢55 身体を構成する成分の摂取割合

日本人に適した三大エネルギー源の摂取の割合は、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」に示されています。現在の2020年版では、「たんぱく質:13〜20%、脂質:20〜30%、炭水化物:50〜65%」となっています(15〜74歳の男女)。

この割合はPFCバランスと呼ばれています。PはProtein(たんぱく質)、FはFat(脂質)、CはCarbohydrate(炭水化物)の略です。この割合では身体年齢を若い状態に保つことができないとの考えが主張されることがあります。

その理由として、身体を構成する三大エネルギー源とは異なることがあげられることがあります。身体で最も多いのは水分で、平均は62.0%とされています。たんぱく質は16.3%、脂質は15.3%、糖質は1%以下です。水分を除いた38%では、たんぱく質は約44%、脂質は約40%となります。

身体を構成する割合と同じ割合で摂取するほうが健康の維持によいとの考えをしているのでしょうが、これには根本的な間違いがあります。PFCバランスは重量のバランスではなくて、エネルギー量の割合です。糖質とたんぱく質は1gあたり約4kcalであるのに対して、脂質は約9kcalと2.25倍の差があります。

重量では脂質は9〜13%となります。高齢になると、たんぱく質を体内で合成する能力が低下するので、より多くのたんぱく質を摂ることがすすめられています。その根拠として、たんぱく質の体内での割合を示しているのですが、脂質と糖質は重要なエネルギー源で、体内で作り出されたエネルギーは生命維持に必要な基礎代謝(約70%)、身体を動かすために必要な活動代謝(約20%)などに使われます。

たんぱく質もエネルギー源ではあるものの、これが分解されたアミノ酸がエネルギーとして使われるのは脂質と糖質が不足した場合です。身体を構成する重要なたんぱく質がエネルギーとして消費されないように、脂質と糖質が不足するようなことがあってはいけません。

糖質は身体を構成する成分として微量だからといって、多くの量を摂る必要はない、糖質制限をしても問題はない、というような説は疑ってみる必要があります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕