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ポストコロナ「五十歩五十一歩」1

50歩と100歩では、2倍の開きがあって、これを差がないことのたとえに使われても理解できない、昔から言われてきたことだから、なんとなく受け入れているという人もいます。諺(ことわざ)の「五十歩百歩」は、50歩を逃げた兵士が100歩を逃げた兵士を臆病だといって笑うことを見て、どちらも逃げたことには違いがないということから、差がないことのたとえとして使われています。 もう少し詳しく説明すると、梁(中国


発達障害支援は国民の責務

発達障害の支援というと、発達障害者に対して、心理機能の適正な発達を支援したり、円滑な社会生活を促進するための個々の発達障害者の特性に対応した医療的、福祉的及び教育的援助が第一義となっています。これは発達障害者支援法の第二条(定義)に示されています。 ここに示されたことを実施するのは、通常の感覚では国の責務というように思われがちです。発達障害者支援法では、第三条に「国及び地方公共団体の責務」を掲げ


文字が違うと健康情報は正しく伝わらない

原稿を書くときには文字の使い分けには特に気を使っています。書くほうとしては内容が間違いなく伝わるように使い分けをしているのに、編集の段階で文字が統一されて、間違った内容にされてしまうことがあります。 使い分けの例として頻繁に出てくるのは、たんぱく質とタンパク質です。“たんぱく質”は食品に含まれている蛋白質、“タンパク質”は体内の蛋白質のことで、これは栄養学では厳格に使い分けられています。たんぱく


健康ウォーキング48 効果は効率的な歩き方で高まる

ウォーキングは優れた有酸素運動で、脂肪細胞に蓄積された体脂肪の減少のほかに、血圧、血糖値、中性脂肪値、LDLコレステロール値、尿酸値などの降下作用があり、筋肉強化の効果、さらには認知機能の向上も認められています。 しかし、これらの作用は、ただ歩けばよい、長距離を歩けば同じような効果が得られるということではありません。これらの効果を、健康状態に結びつけていくためには、効率のよい歩き方をすることが条


発達栄養学200 家庭、技術・家庭教科での食に関する指導・中学校7

文部科学省の「食に関する指導の手引」では教科ごとの食に関する指導を各論として掲載しています。ここでは家庭、技術・家庭の中学校の食に関連する内容を前回に続いて紹介します。 *地域の食材を用いた和食の調理については、日常食べられている和食として、だしと地域または季節の食材を用いた煮物または汁物を取り上げ、地域との連携を図るようにします。例えば、地域または季節の食材について調べ、それらを用いた煮物また


ポストコロナ「下手に横突き」3

新型コロナウイルス感染症による禍(わざわい)を脱するときには、まるでコロナ対策で交わされた優先論が、ここでも登場します。コロナ禍において、経済対策としてのGoToキャンペーンを優先させるのか、それとも人流による感染拡大を防止するほうに力を入れるのかについて論議はされたものの、あまりの感染拡大に経済対策は後回しにされて、飲食店への自粛要請も強化されました。 コロナ後では経済優先となることは、まだ収


発達障害支援の社会的障壁の考え方

発達障害者というと、発達障害の状態があると診察された人を示していると思われがちですが、発達障害があるということだけではなくて、それと同時に社会的障壁によって日常生活や社会生活に制限を受けている人のことを指しています。これは発達障害者支援法の第二条(定義)に示されています。 社会的障壁というのは、発達障害がある人が日常生活や社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他


脳の健康寿命6 後期高齢者大増加時代

2007年(平成19年)に超高齢社会(高齢化率21%以上)に突入した我が国であっても、これまでは前期高齢者(65〜74歳)の数が後期高齢者(75歳以上)を上回っていました。しかし、2018年(平成30年)3月に、前期高齢者と後期高齢者の数が初めて逆転して、前期高齢者が1764万人、後期高齢者が1770万人となりました。これ以降は、後期高齢者は増える一方で、これまでの高齢者対策では追いつかなくなるほ


サプリ概論97 ミネラルの摂取量7

リンは成人の体内には最大で800gが蓄積され、その80%ほどは骨と歯に存在しています。骨の強化にはカルシウムとともにリンが必要ですが、リンが過剰になるとリン酸カルシウムとなり、不要なものとして尿中に排泄されます。リンは加工食品に食品添加物として多く含まれています。 1日の目安量と許容上限量については「日本人の食事摂取基準」(2020年版)に掲載されています。リンの男性の目安量は年齢によって異なり


学習障害199 学習障害児の受け入れの本気度

発達障害児を受け入れないテニスクラブの話を前回はしましたが、発達障害であることを承知して受け入れ、その子どもの能力を引き上げようとしているところもあります。それはテニスの才能を伸ばすことだけでなく、発達障害の改善にも役立たせようと努力しているところがあるのも事実です。 その一方で、発達障害児だけを特別クラスにして、他とは違うプログラムを実施しているところもあります。これが理解や行動に時間がかかる