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脂肪代謝促進研究17 L‐カルニチンは効果がないと言われた時代があった
L‐カルニチンが医薬品成分だけでなく食品成分としても使用することができるようになったのは2002年のことです。サプリメントの素材にも使われ、代謝促進の効果が期待されたときに、水を差すような発表がありました。 それはL‐カルニチンをサプリメントとして使っても、脂肪のエネルギー代謝が高まらないという海外の研究報告でした。サプリメントや健康食品に否定的な医師などが、これを示して役に立たないというよ
健康・火の用心2 手遅れになる前の食事と運動
予防医学は医師だけでなく、薬剤師も取り組んでいます。機能性食品を研究して、これを予防医学に役立てようと考えた京都大学出身の薬学博士がいます。後に健康分野での講演、テレビ番組出演、書籍の執筆・監修などで有名になった久郷晴彦医学博士です。 その逸話ですが、当時の京都大学の医学部には医学科と薬学科があり、基本を学んだあとに進路を選択するという流れとなっていました(現在は医学部医学科、薬学部薬学科で
講習NAVI21 エネルギー代謝と抗酸化
細胞のエネルギー代謝で不完全燃焼状態になると活性酸素が発生すると前回紹介しました。完全燃焼をすれば活性酸素が発生しないということで、そのために何をすればよいのかという研究が重ねられました。その中で解明されていったのが、脂肪代謝で、それを促進させることができる代謝促進の化合物であるL‐カルニチンの有効性でした。 L‐カルニチンは、必須アミノ酸のリシンとメチオニンから体内で生合成される化合物で、
Diet Designer22 体重の増減に一喜一憂するなかれ
体重計で測定する時代には体重を測定するだけでした。そこから体脂肪計に進んだときには、体重とともに体脂肪率も測定することができました。そして、今は体組成計となり、体脂肪率だけでなくて、内臓脂肪量、筋肉量、BMI、基礎代謝量、体水分量、体内年齢なども測定することができるようになりました。 BMIはBody Mass Indexの略で、体格指数と略されています。「体重(kg)÷身長(m)÷身長(m
健康・火の用心1 手遅れになる前のアプローチ
日本には“火の用心”という素晴らしい文化があります。火事になってから消すことに力を注ぐだけではなくて、火事にならないように心がけ、見回りをすることの大切さを日本人は理解しています。江戸時代の町火消しのいろは四十八組(江戸市中)も深川本所十六組も、火事場で活躍するとともに、家事を起こさない火の用心の夜回りを繰り返していました。 ひとたび発生すると町中を焼け尽くすような大火事になって家屋敷ばかり
脂肪代謝促進研究16 代謝促進の補助としてのL‐カルニチン
L‐カルニチンは代謝促進成分として優れたもので、かつては医薬品成分であったものが、食品成分としても使用することが許可されて、今では代謝促進サプリメントの雄となっています。全身の細胞の中にはエネルギー産生の小器官のミトコンドリアがあり、この中に脂肪酸が取り込まれるときにはL‐カルニチンが必要になります。脂肪酸はL‐カルニチンと結びつかないとミトコンドリアの膜を通過することができないからです。
健康情報共有18 生活習慣病の原因は代謝低下
生活習慣病というと、食事や運動、休養、喫煙、飲酒などの生活習慣が深く関与していて、それらが発症の要因となる疾患を指しています。一般には高血圧、糖尿病、脂質異常症(高中性脂肪血症、高LDLコレステロール血症)などがあげられているものの、日本人の死因の上位を占めている疾患(がん、心疾患、脳血管疾患)も含まれています。 食べすぎや栄養の偏りによる塩分の過剰摂取、糖質や脂質の過剰摂取が主な原因と考え
あくまでも噂話85「厚生労働大臣認定運動型健康増進施設」
厚生労働大臣認定運動型健康増進施設は、当時の厚生労働省(旧厚生省)が1988年に国民の健康づくりを推進する目的で、一定の基準を満たしたスポーツクラブやフィットネスクラブを認定する制度です。その実施のために「運動型健康増進施設認定規定」が定められましたが、その認定のための実態調査・指導は日本健康スポーツ連盟が唯一担当しています。 規定は厳しくて、すべての筋肉をトレーニングできる設備があり、施設
脂肪代謝促進研究15 L‐カルニチンは加齢で不足する
L‐カルニチンはアミノ酸類縁体で、以前は医薬品の成分として使われていました。2002年に食薬区分の変更によって食品成分としても使用することが許可されて、サプリメントにも使用されるようになりました。 それを働きかけ、L‐カルニチンを広めるのに力を注いだのはロンザ株式会社です。1987年にスイスアルプスに設立された製薬会社ロンザ(Lonza)の日本法人で、35か国に拠点を構えている一つです。L‐
講習NAVI20 活性酸素と抗酸化の仕組み
吸い込んだ酸素のうち2〜3%は活性酸素になるとされています。体内で活性酸素を発生させているのは、全身の細胞の中にあるミトコンドリアのTCA回路です。ミトコンドリアはエネルギー産生の小器官ですが、非常に数が多くて、全身のミトコンドリアの重量は体重の10%ほどにもなっています。 TCA回路では、エネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)をアセチルCoAという有機化合物に変えます。これを使って、9段階