240 食事と入浴のタイミングで体脂肪を減らす

食事をすると胃液が分泌されて、消化が進み、分解された栄養成分が腸から吸収されます。その多くは小腸から吸収されていますが、初めに消化・吸収されるのは糖質です。糖質の吸収は食事を始めてから30分ほどで盛んになり、2時間ほどで消化・吸収がほぼ終了します。糖質が分解されると、その中に含まれるブドウ糖が吸収されて血液中に入ります。血液中に入ったブドウ糖が血糖で、その量を示すのが血糖値です。血糖値が高まると、血糖値を下げる唯一のホルモンであるインスリンが膵臓から分泌されます。インスリンの働きによってブドウ糖は細胞に取り込まれて、血糖値が下がっていきます。
胃液とインスリンの分泌は自律神経によって調整されていて、交感神経の働きが盛んになると分泌量が抑えられ、副交感神経の働きが盛んになると分泌量が増えていきます。夕方以降は副交感神経の働きが盛んになるので、夕食はインスリンが多く分泌されて血糖値が下がりやすくなります。インスリンには肝臓での脂肪合成を進める働きと、脂肪を脂肪細胞に取り込んで蓄積させる働きがあり、インスリンが多く分泌されることによって体脂肪が増えていくことになります。
夕食の前に、熱めの温度(42℃以上)で入浴すると交感神経の働きが盛んになって、そのままの状態で食事をするとインスリンの分泌量が少なくなって、脂肪合成と蓄積が抑えられることから体脂肪の蓄積を抑えることができます。初めから熱めの入浴では、心身ともにリラックスさせることができにくくなります。そこで低めの温度で身体を充分に温めて入浴のリラックス効果を得たところで、最後に追い炊きで温度を高めるか、熱めのシャワーを浴びて交感神経に切り換えてから浴室を出るようにします。
この方法は体脂肪の蓄積を減らすためには有効であっても、インスリンの分泌が抑えられることから、糖尿病の人や、血糖値が高めの予備群の人にはすすめられないことです。